HENRY COW、UNIVERS ZEROなど、70年代に活躍した先達のサウンドを引き継ぎ、現在も世界中に拡散し続けるチェンバー・ロック。ここでは、古典的作品に加え各地の個性あふれるチェンバー・ロック新鋭の作品をご紹介してまいります。艶やかな管弦の響きに潜む狂気の旋律・・どうぞお楽しみください。
アヴァン/チェンバー・ロック・シーンの基礎を築いたバンドと言えばやはりこのバンドですよね。74年作より代表曲とも言われるこちらをセレクト。これがアヴァンギャルドであると同時に流麗さをも備えた奇跡の一曲。この鬼気迫るまでのアンサンブル、やっぱりいつ聴いても凄まじいです・・。
現代まで至るチェンバー・ロックの源流と言えばUNIVERS ZERO。この84年作では従来の不穏なチェンバー・サウンドに加え、ハード・ロック的な凶暴さを得て知的に暴走するアンサンブルを展開。これがもうたまらなくカッコいいんですよね。
元はUNIVERS ZEROのメンバーだったギタリストのトリゴーを中心としたバンドがこちら。あくまでチェンバー・ロックでありつつも、よりロック的な肉感・躍動感を増した作風が魅力的です。
キング・クリムゾンやレコメン系バンドの影響の下、03年に結成され、06年にデビュー作をリリースしたスペインのバンドで、00年代以降のチェンバー・ロックを代表するバンド。2013年作。このアルバム制作を記録したプロモ動画がまたカッコ良い!
OCTOBER EQUUSのギタリストによる12年作1stソロ。カンタベリーや、ヘンリー・カウなどチェンバー・ロックを土台に、地中海や中近東音楽の香りを加えた豊潤なサウンドは、70年代スパニッシュ・チェンバー・ロックの名グループMUSICA URBANAに通じる完成度!
初期UNIERS ZEROの暗黒チェンバー・サウンドを継承するイタリア新鋭の12年作。このおどろおどろしくもスリリング、そしてどのバンドよりもクラシカルな美感を感じさせる作風が実にイタリア的で素敵ですよね。
アメリカに現れた恐るべき高速変拍子で疾走する狂気の暴走チェンバー・ロック・バンド!この2012年作2nd、凄まじ過ぎです・・・。
ベルギーのレコメン系グループの2012年作なんですが、アカデミックさと奇天烈さとヨーロピアンな洗練とがゴッタ煮されてて、テクニカルなのに温かくしなやかだし、ザッパやゴングのファンはヤられるはず!
チェンバー・ロックからロックを取ったらただの室内楽になるかって?いえいえそんなはずはありません。イタリア産室内楽カルテットによるFRID FRITH、UNIVER ZEROなどのカヴァー作が登場!
まるでアネクドテンがチンドン屋をやったような、北欧トラッド色と漆黒のチェンバーと現代的ヘヴィネスとの見事な融合!北欧レコメン/チェンバー新鋭の代表格ですね!
フランスの新鋭バンド12年作。この緊張感みなぎる掛け合いとユーモラスな音使いとのバランスの見事さと言ったら!UNVERS ZEROが怖くて聴けないという方はこちらをどうぞ^^
南米にも凄いバンドがおります。チリ発、超絶的なリズムセクションとバイオレントに吹き荒れるサックスがとにかく圧巻のチェンバー・ジャズロック!この演奏の強度、迫力は間違いなく南米トップレベルでしょう。
もうこれは、クリムゾン『太陽と戦慄』『レッド』やヘンリー・カウ『レッグエンド』あたりが好きなら聴くしかないでしょう!チリ出身、漆黒のレッドゾーンぶっちぎりレコメン!
クリムゾン、ヘンリー・カウ、キース・ティペット、オーネット・コールマンから影響を受けたブラジルの新鋭トリオ、充実の2013年作!
メキシコの新鋭チェンバー・ロック・バンドによる11年作。その内容はUNIVERS ZEROの1st+現代エレクトロニック・サウンドと言うべき唯一無二の代物。少しでも気を許せば即襲ってきそうな、尋常ではない緊張を聴き手に強いる邪悪系チェンバー・ロックに仕上がっております。