GEM29(FLAWED GEMS) 【2011年発売CD】
ボーナス・トラック5曲。
Chris FarloweがCOLOSSEUMに参加する前にリリースした作品はご存知?R&Bとサイケとクラシックの融合とでも言える、ソウルフルだけど気品がある逸品なのです。
60s英国を代表するR&BヴォーカリストChris FarloweがCOLOSSEUMに参加する前に発表したバンド編成でのアルバム、1970年発表。バックが魅力的で、後にQUATERMASSを結成することになるオルガン奏者Peter Robinson、FAT MATTRESSのギタリストSteve Hammondが参加。物憂げなトーンからグルーヴィーなトーンまでサウンドを引っ張るオルガン、サイケデリックに空間を広げるエコーに包まれたアコギやコーラス、そして室内楽的に格調高く彩るストリングスによるサウンドはかなり完成度高いです。スケールの大きなサウンドをバックに、のびのびとした力強くソウルフルな歌声を聴かせるヴォーカルもさすがの存在感。これぞブリティッシュ・ロックと言える「奥行き」に富んでいて、R&Bから進化したブリティッシュ・ロックの一つの完成形と言っても過言ではないでしょう。名作です。
PATTO/ROLL EM SMOKE EM PUT ANOTHER LINE OUT
マイク・パトゥ&オリー・ハルソールの名コンビによるブリティッシュ・ロック・グループ、最終作となった72年3rd
2,490円(税込2,739円)
エリック・クラプトン/ジンジャー・ベイカー/スティーヴ・ウィンウッドらビッグネームが集結するも半年という短命に終わったスーパーグループ、69年唯一作
必殺の名曲「All Right Now」収録、70年リリースの代表作3rd
名ヴォーカリストPeter French在籍、BLACK CAT BONESを母体に結成されたヘヴィ&ブルージーな骨太ブリティッシュ・ロック・グループ、71年作
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英国R&B界屈指の名ボーカリストの隠れた名盤(2 拍手)
F.Greenさん レビューをすべて見る
クリス・ファーロウの暑苦しいボーカルが、なぜだか、好きだ。力の限り、そして絞り出すように歌うクリス・ファーロウ。コロシアムでの活動が有名だが、彼はそれ以前から、英国R&B界の帝王である。このアルバムはコロシアムに参加する前の録音のようだ。ジャズ・ロックではなく、ずばりR&Bであり、ブリティッシュロック!ええ翳り具合です。バックの音だけを聴いていると、初期のロッド・スチュアート、スモール・フェイセス、中期ローリング・ストーンズ、などを彷彿させる。そのあたりのブリティシュロックが大好きな方、是非、ご一聴ください。で、チェロで参加しているポール・バックマスターって、あのコンポーザー&アレンジャーで有名な人なんやろか?ここからプログレへの道が続くのか?
ボートラに注目(1 拍手)
tsさん レビューをすべて見る
『ソウルフルだけど気品がある』としたら、それはやはりピーター・ロビンスンとポール・バックマスターに拠る所が大きいかもしれません。
もともとザ・ヒルとして単独で制作していたオケにアメリカから帰英したファーロウが歌を被せてリリースしたのがこのアルバムの様です。つまり、ロビンスンとバックマスターが自分達の求める音を追求していた時期(この頃に吹き込んだ音源をマイルスが聴いてバックマスターを米国に招いた)の貴重な記録でもあります。
Flawed Gemsお得意のボートラは米のみで発売のザ・ヒルの単独シングルで、これだけでもファンは買いです。欲をいえばマイルスが自分のバンドにバックマスターを引き入れるきっかけになったという音(”Joint Effort”という楽曲だそうです)も聴きたかったのですがさすがにFlawed Gemsじゃ無理か。。。
とはいえ、Chitinous Ensembleなんかよりずっと聴きやすい歌モノアルバムではあります。
ちなみにバックマスターはこのアルバム吹き込み後、エルトン・ジョンのアレンジャーとして名を上げますが、クワターマスの弦楽編曲とか先のChitinousとかサード・イアー・バンド等、併行してわりかし好き放題やってたりします。