元ゲイリー・パケット&ザ・ユニオン・ギャップのべーシスト、ジェフ・ポーカロ/デヴィッド・ハンゲイト参加の77年AORアルバム
712円(税込783円)
COLUMN THE REFLECTION 第43回 ブラス・ロックの英国的展開 〜 気がつくと、どれも名だたるかつてのレア廃盤ばかり 〜 文・後藤秀樹
音楽ライター後藤秀樹氏による連載コラム「COLUMN THE REFLECTION」!ここまで米国のバンドにフォーカスしてきたブラス・ロック特集、今回は英国のブラス・ロック系グループ達をディープに探求!
イギリスのブラス・ロック名作をピックアップ!ついでに、ユーロのブラス・ロックも紹介しちゃいますよ〜。
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これぞlost gem! 奇跡的な発掘音源!!(4 拍手)
ひろきさんさん レビューをすべて見る
これは彼ら、Satisfactionのいわゆる幻のsecond albumにあたります。1972年時点ですでに完成していたのにもかかわらず、40年以上もお蔵入り状態でした。おそらくfirst albumのセールスが影響したと思われます。Derek Griffithsさんが所有していたテープが見つかったことから正式に発売にこぎつけることができたようです。
さて、注目の1曲目、"My Fixation"、Mike Cottonさんの憂いをたっぷり含んだ、言い換えるとセクシーなtrumpetの音色から始まります。もうこの時点で、British progressive jazz rockが好きな人なら気にいることでしょう。私はRiff Raffの雰囲気を感じ取りました。しかしすぐにD. Griffithsさんの 重いギターリフが入ります。この後の展開はhard rockです。この曲は最後に再び別のアレンジで楽しむことができます。いわばこのアルバムの方向性示していると考えられる曲となっています。また彼らのfirstにも見られたようにfolkyなナンバーも数曲含まれています。こちらも小作品ですが魅力を放っています。もう一つ特筆すべき曲があります。それは、"Liar Liar"です。firstにも含まれていた曲ですが、ここでは徹頭徹尾、hardなアレンジがなされており比較してみるのも面白いと思います。
最後に私がこのアルバムに最初に注目したのは、正直言ってjacket designです。この怪しいイラストは目を釘付けにする何か魔法のようなものを放っています。まさに魔法にかかって「ジャケ買い」をした数少ないアルバムのひとつです。しかしその判断は間違ってはいませんでした。