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ネットショップなのに、試聴機が!? スタッフがテーマ別にCDをセレクト&レコメンド!
HAWKWINDやGONGを指し示す「スペース・ロック」という呼称。はたまた、CANやCLUSTERなど音響に重きを置いた一部のジャーマン・ロックを指し示す「コスミック・ミュージック」という呼称。「サイケデリック」という概念とは、またちょっと異質の概念のもとで生まれた(合わせ技もありますが)、極めて線引きが曖昧で、極めてロマンに満ち溢れた、途方もないジャンル...。
このコーナーでは、どうにも所在なげに「ここではないどこか」を、願わくば「宇宙」を夢見ていたことであろう、感じていたことであろう、そんなロッカーたちを津々浦々にご紹介します。
ちなみに、ジャーマンの「コスミック・ミュージック」をもっと探求したいという方は、別項の特集「趣味のクラウト・ロック」やJUKEBOX「エンジニア/プロデューサー選 コニー・プランク」もあわせてご覧いただけますと幸いです。
ご存知、スペースロックの権化。スペースロックの醍醐味である神秘的でトランシーな開放感に溢れた73年傑作ライブ盤。執拗な反復ビートをバックに、ウネりを上げるベース、スペイシーなシンセ、サックス&フルートが渦巻きながらコスモへ飛翔する!
KOSMISCHE MUSIKと異名を取った音響派ジャーマンロック勢のなかにあって、ロックをフォーマットに変革し続けた存在。74年作。圧倒的完成度の前作「フューチャー〜」で充足などせず、レゲエのリズムとダビーな音響処理を導入したコスミック作!
音響的には「ECHOS」なんでしょうが迷った末にこちらを。インナースペースに潜む狂気をリアルに描いた73年作に収録「虚空のスキャット」。天上の歌声とはよく言いますがクレア・トリーのそれは成層圏越え。宇宙から帰還する時の迎え歌に聴きたい...。
カンタベリーと宇宙を繋いだ張本人=デヴィッド・アレン率いるスペース・ジャズ・ロック・バンド。海賊ラジオ局のテレパシー放送という設定のラジオグノーム3部作の完結編。74年作。リズム隊=重力、宙を飛び交うギター&サックス=無重力。このコントラストの妙。
ゴング加入前のS.ヒレッジが率いたグループ。72年作。後にハットフィールドで開花するD.スチュワートのジャズロック路線と、ヒレッジのスペーシーなギターとの邂逅。ゴングの諸作同様、スペースロック/カンタベリーの両側から見ても重要な作品。
カーン〜ゴングを経たヒレッジの76年2ndソロ。ドノヴァンやG.ハリソンのカヴァー含むポップな楽曲群を、後のシステム7等にも繋がるエスノで瞑想的なサウンドスケープで演出した意欲作。中盤のトランペットはドン・チェリー!制作はトッド・ラングレン!
まるで西海岸版KHAN『SPACE SHANTY』meetsダモ鈴木!?JEFFERSON AIRPLANE〜STARSHIPなどで活躍した変わり者ドラマーによるソロ73年唯一作なのですが、これがサイケでジャジーでスペーシーでグルーヴィーな孤高の逸品…。
名曲「サンレイン」収録の代表作『ニューエイジ〜』の次作にあたる77年作。前作で鳴りを潜めていたゲッチングのギターを心ゆくまで味わえる作品。ミニマルなリズムと瞑想的なシンセが描く軌道のうえを飛行する、美しすぎるコスミックギターソロ。
ゲッチングに続きこの人もジャーマンサイケを代表するギタリスト。72年作。深いエコーに包まれたメロウなギターを軸に、信じきれない妙な温かみが宿されたようなサウンドスケープ。聴き手のインナースペースに問いかけ、心を試されているかのよう...。
スペーシーなギターといって忘れてならないのが「キャプテントリップ」ことジェリー・ガルシア。69年ライヴ作。宙をゆらめくようなギターに心酔する「ダークスター」で幕を開け、絶妙なアルバム構成で最後の瞬間まで無心でトリップさせてくれる一枚。
打楽器奏者P.ムーラン主導のゴングとして名義を変えて発表した79年作。D.アレン脱退以降進めてきた打楽器が主導を取るジャズロック。M.オールドフィールドが参加したミニマルな表題曲も素晴らしいですが、ここではスペーシーなアフロジャズロック曲を。
Ohrレーベルメイトのグルグルに通じるフリーフォームでアヴァンなロックサウンドを、たっぷりとエコーを効かせたスペーシーな音響で包みこんだジャーマンサイケの名盤。72年作。いかにもドイツ産らしいごった煮な音楽性も、宇宙で聴けば清々しい?
独/伊/スイス人から成るハイブリッドなジャーマンサイケ。73年作。東洋楽器によるインナースペース観、シンセやフルートによるアウタースペース観、その両面を堪能できるイン/アウト対応サウンド。コラージュ/音響に掛けられた巧妙な罠に病みつき...。
アモンデュールII〜エンブリオでの活動で知られる鍵盤奏者が率いたドイツのグループ。71年作。多国籍メンバーが創出するごった煮グルーヴで調理したごった煮ジャーマン!CANに通じる黒っぽさ×音響と反復が生むトリップ感=大陸的スペースファンク!?
コスミックなコンセプトを冠するジャーマンヘヴィサイケ。73年自主制作盤。宇宙遊泳中、ふと空恐ろしい不安に取り憑かれた時に聴こえてくるようなダークで混沌としたサウンド。たとえ妄想だとしても一度その恐怖を覚えたら「宇宙はもういいや...」
日本が宇宙に誇るプログレバンド。76年作。エッジの立ったギター、空間を切り裂くメロトロン、ひたすらに陶酔させてくれるだけの安寧なコスミック幻想を打ち破る硬質なヘヴィネス!かけめぐる走馬灯、吸い込まれてゆく、遠き日本の記憶...。
宮下フミオ、高橋正明(のちの喜多郎)が在籍したスペースサイケバンド。ジャーマンエレクトロの巨匠K.シュルツェ制作による76年傑作2nd。独特の粘着質を伴うグルーヴと煌めくような電子音が絡み合い宇宙を遊泳する至高のスペースサイケ。たのしい宇宙。
空飛ぶ円盤が本当に来たよ、ちっとも待たせなかったろうって、円盤は得意そうに言ったよ、映画に出たことのない人は乗せてあげられないって、円盤はすまなそうにそう言ったよ、でも弟は一度だけ映画に出たことがあるのさ...。もう野暮な説明は不要です。
ここからは一般的なスペースロックの認識から脱線。まずはギリシアを代表する名作。73年作。エキセントリックなギター、時にクラシカルに時にスリリングな鍵盤、性急さと畳み掛けるようなテンション、静と動のパートの鮮やかな対比。駆け巡る彗星のよう。
イタリアのキーボードプログレ。73年作。疾走感あふれるリズムのうえを翔る煌びやかなチェンバロのリフレイン、宙をたゆたうフルートのような音色のシンセ。一転して情熱的なロマン溢れるヴォーカル。精神=インナースペースの飛翔を謳った名曲。
スウェーデンのグループ。サードイヤーバンドを想わせる不穏な古楽器の響き、ホークウィンドの如く天空へと高く飛翔するヴァイオリン、全編を包みこむ、深く煙る北欧の霧のような音響。憧憬の念も畏敬の念も綯い交ぜになった、地上から想う宇宙。
米国のアウトサイダー。78年作。ジャケそのままのB級SFテイスト丸出しな電子サイケを皮切りに、虚ろなアシッドフォーク、果てはHRまで詰め込んだ、聴き手の腰を終始浮かせっぱなしにさせる支離滅裂な宇宙旅行。それでも音響は凝りまくってます。
米国のサイケバンド。テストプレスのみで制作された69年録音の発掘2nd。女性ヴォーカルと浮遊系シンセをフィーチャーしたPファンク〜ファンクカデリック系の絶品スペースファンク!趣味の悪い後づけのジャケットは参考にしないでください・笑
自らを「土星からやってきた」と名乗る異色ジャズメン、サン・ラ。持ち味であるコスミックでフリーキーな管弦楽器が宙を飛び交う集団即興に、ESP仲間のファラオ・サンダースを迎え録音された64年ライヴ作。無秩序の中にわずかな秩序を見いだす喜び。