TANGERINEの75年第1作。たおやかな響くアコギ爪弾きに女性ヴォーカルVALERYの美しいヴォーカル、それらを彩るフルートの音色が素晴らしいフォーク・ロックの名品。切なくも力強くしかしどこか拭えぬ翳りを持つその音楽性は、フランス産ならではの魅力に満ちています。
VALERYによる77年ソロ作。音楽性はTANGERINEを引き継ぐフォーク・ロックですが、VALERYの歌の魅力がより引き出された珠玉の逸品となっています。夢の世界のような淡い幻想を描きだす演奏に乗って、VALERYの透き通るような美声が何とも心地よく響く一曲です。
ANGEと並び称されるシアトリカルなフレンチ・プログレの代表格、74年デビュー作。若干音は軽いものの演奏自体はなかなか重厚で、全編自己陶酔気味に歌い上げるヴォーカルも相まって、フランス以外にはあり得ない耽美な世界観を作り上げています。
CRYPTOより77年に発表された3rdアルバム。瑞々しく繊細な音使いとシンフォニックな高揚感の両方が味わえる充実のアンサンブルと、エキセントリックな域に達するヴォーカル・パフォーマンスがこれまでになく冴え渡る傑作に仕上がっています。
ANGEのVo、C.DECAMPSプロデュースによる75年唯一作。アクの強いフレンチ・プログレ勢にあって、独特の儚さが漂うユーロ・プログレらしい異国的叙情美を湛えたフレンチ・シンフォを展開します。ヴォーカルのどこか物悲しく情感豊かに響く歌声も聴き所です。
キーボード、ギター、サックスが絡み合いながら進行する、しなやかなシンフォニック・ジャズ・ロックを繰り広げる75年作。高い芸術性を誇る美しき演奏から溢れ出てくるドラマティシズムが堪能できる点は、まさにユーロ・ロックならではの醍醐味と言えます。
前作における流麗なアンサンブルはそのままに、よりドラマティックな構成力が発揮されたCRYPTOより発表の76年作。こちらの21分に及ぶ大曲も、繊細さとダイナミズムが見事に同居する演奏の中にフランスらしい耽美さが濃厚に薫るユーロ・ロック・ファンには必殺と言える傑作組曲。
プログレ的な音の厚みも仕掛けも一切無く、オーソドックスでスリージーなロックン・ロールを演奏するこのバンドも、ARCANEより世に出たバンドの一つ。こういうバンドもデビューさせてしまうあたり、単なるプログレ系レーベルとは言えない懐の深さが感じられませんでしょうか?