あのエイジアとは同名異となるアメリカのグループ。79年作の1stと80年作2ndをカップリングした2in1CD。どちらもメロトロン・ファンから古くより愛される作品で、アメリカらしいキャッチーなプログレ・ハードのバックに溢れるメロトロンが印象的。エッジの立ったトーンでスピーディー&アグレッシヴに疾走するギター・リフ、胸に迫る泣きのリード・ギター(ここぞでツイン・リード!)、アメリカらしいハイ・トーンのヌケの良いヴォーカル&ハーモニーとフックに富んだドラマティックなメロディ、そして、クリアなトーンで爽やかに広がるメロトロン。様式美プログレ・ハードというべき、美メロと泣き泣きのアンサンブルに溢れたサウンドに胸が熱くなります。これは名作!
00年代プログレを代表するバンドの一つと言えるスウェーデンの人気グループ、23年作、待望の「HIMLABACKEN」第2部!
2,590円(税込2,849円)
左右に配された2本のギターが時に美しくハモリ、時にお互いのリードをぶつけ合う。世界各国に生まれたツイン・リード・ギターの作品を定番からニッチ盤までピックアップ!
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ダサかっこいい、激くさツイン(1 拍手)
ブリティッシュドッグさん レビューをすべて見る
本作はなんだか随分と古めかしい曲センスだなあ…。1曲目の歌に入る前の「ジャッジャーン」っていうギターの入り方も、聴いているこっちが恥ずかしくなるくらい、ちょっとダサイ。なんとなくメロディセンスも、「泣きメロ」と言うより「くさメロ」で、更に10年古い印象である。
一般的に「プログレハード」と紹介されているが、これには異論ありだ。確かに突然曲調が変わる展開もあるが、これが全く曲の流れに関係の無い変化なのだ。この辺り、プログレ特有のインテリジェンスが感じられず、バンドポリシーの薄さを露呈している。実態は「ハードロック」とジャンル付けすべきだろう。(※但し、セカンドはプログレハードらしく改善している)
さて、散々な書き出しとなったが、採点すると逆転して星4つの秀作となる。逆転材料のいいところを言うと、全体的にエネルギッシュ。何より楽曲の技術が高い。テクニックは本物だ。古くささが少し薄まったセカンド収録の「Love may〜」と「The taming〜」のギター間奏は、おもわず「かっけー!」と声をあげた名演。「Love may〜」のギターの掛け合いは、ツインギターファン必聴である。「The taming〜」に至っては、まるでアモット兄弟が演じるようなフレーズで、腰が抜けるほど感激した。
多くは疾走感のある曲に食いつくだろうが、実はバラードも中々いい。「The bard」あたりは、ブリティッシュフォークっぽくて心に染みる。
総評としては、カッコイイ箇所と、ダサイ箇所の混在で、感動は乱高下させられる。全体として懐メロ臭いもったり感が拭えないテイストではあるが、曲自体はいいので、そんな「痛さ」も愛おしく思えるから不思議。掘り出し物と言っていい珍品である。