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皮肉と諧謔に満ちたヘビーロック(1 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
バカテクで伝説的な評価を得ているショパンのギタリスト、レイ・ラッセルの率いるハードロック・グループ。(わたしはショパンをまだ聴けていません。)ラッセルは、ポピュラー音楽シーンというより、TVや映画音楽、はたまた多くのセッションに関わる仕事だったらしいです。「ドクター・ノオ」や「ゴールド・フィンガー」にも関わっています。レゲエからハードロック、クラシックまで詰め込んだ雑多なロックですが、一本筋が通っているのは、彼らが多様な音楽素養を持っているせいでしょう。
5. Ashen Besher は、クリムゾンがコロシアムと試合しているようなヘビーロックです。ドラムズの人の力量が今いちながら楽しめます。 7 East Of The Sun にいたっては、弦楽無調和音の序曲みたいな仕上がり。8 It's Happening To Me And You でまたハードロックに戻ってきます。ラッセルとしたら、いっちょここらでバンドでもやってみっか、みたいなノリだったんでしょう。他のメンバーが振り回されているのがよくわかって微笑ましいです。
10割の力でなく7割ぐらいの力の入れようで、英国らしい皮肉とユーモアがよく出てきます。恐れながらビートルズの2枚組アルバムを想定していただけると良いかも知れません。残念なことにマスターテープの状態が悪くて、ところどころテープがよれています。わたしの所持しているのは、2005年復刻のエンジェル・エア盤ですが。