定価2200。
艶やかな歌声が魅力的なバスク地方の代表的女性シンガーといえば彼女。ジャケットのイメージ通り、宵闇のなかでしっとりと歌われるようなバスク語のヴォーカルが絶品です。
女性ヴォーカリストITZIAR EGILEOR擁するバンド唯一のアルバム。79年作。美しいハイ・トーン・ヴォイスを持つ気品高いITZIARのヴォーカルがとにかく絶品。静謐なフォークを基本としつつも、エレクトリック・ギターと唾吐きフルートによるスリリングなナンバー、サックスをフューチャーしたジャジーなナンバーなど、なかなか懐深いアレンジを聴かせています。バスク・フォークを代表する名作。
スペイン・バスク州を象徴するグループ、ユーロ・シンフォの大傑作「ITOIZ」に続いてリリースされた80年2ndアルバム、異国情緒豊かなユーロ・ジャズ・ロックの名品
750円(税込825円)
REALE ACCADEMIA DI MUSICA/REALE ACCADEMIA DI MUSICA
キーボード・サウンドを中心に据えたメロディアスなイタリアン・プログレの逸品、72年作
5,200円(税込5,720円)
舩曳将仁の「世界のジャケ写から」 第五十五回 ITZIAR『ITZIAR』(スペイン)
コラム「そしてロックで泣け!」が好評だった音楽ライター舩曳将仁氏による、第2弾コラム「世界のジャケ写から」。世界のプログレ作品より魅力的なジャケットを取り上げ、アーティストと作品、楽曲の魅力に迫ってまいります。
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バスクに咲いた一輪の花(1 拍手)
Grey Sovereignさん レビューをすべて見る
1978年にファースト•アルバムを発表し、それまでは、言ってしまえば地味なトラディショナル音楽(地味と言っても、内容が悪い訳では無い。)しか存在しなかったバスクの音楽を世界中のプログレ•ファンにアピールしたItoiz。
その名作セカンド•アルバムに参加していた女性ボーカリスト、Itziar Egileorが本作品の主人公です。
まずは、この作品がカテゴライズされているバスクについて少々。
一般的には、バスク人が生活している地域をバスク地方と呼んでいるわけです。(当たり前ですがw)
地理的には、スペインとフランスの国境のピレネー山脈北部、ビスケー湾に面し、豊かな大自然に抱かれた地域。
スペインとフランスにまたがるバスク地方ですが、その両国の文化とは全く異なった独自の文化を永きに渡り築いて来たのがバスク人と言えるわけです。
2つの強国に挟まれながらも、それらの文化圏に組み込まれる事を良しとせず、頑なに純潔を守って来たさまをを見るにつけ、大自然の優しさを感じさせられる彼らの奏でる音楽の裏側には誇り高き民族バスクの血筋が垣間見えるようです。
さて本レビューの主人公であるItziarですが、前述した通りバスク音楽の至宝とも言えるべきItoizの2ndアルバムの録音に参加した事により、普通に考えればそのサウンドの類似性が予想出来るというものですが、実際はよりアコースティックな物と言えましょう。
それは、あなたが想像するに難くないバスク地方の大自然の暖かさそのものと言った感じです。
また、バック•バンドの演奏も非常に的を得ており、作品全体の出来は及第点を軽く超えるレベルにあります。