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ハリスン、まだ手探り状態のソロ(2 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
ジャンルはジャズということになりましょう。とても隙間の多くゆったりとした中に緊張感も漂わせるインストルメンタルです。ハリスンは、ブルフォードの後継者と言ってもいい理知的なドラマーで、彼の興味の対象が並はずれた広がりを持っていることを実感させます。
「アイム」は、ミック・カーンの摩訶不思議なベースが全体をリード。東洋的ともアフリカ的とも思える無国籍なリズムがとても心地よいです。「オン・ア・ウェイブ・オブ・ポジティビティ」は、ゲイリー・サンクチュアリ(kbd)、リチャード・バルビエリ(kbd)とのトリオ。「ドッグ・デイ」も東南アジアを想起させる面白い曲。後半は、ウェザー・リポートのような雰囲気になります。「ウィットネス」は、サルタン・カーンの歌声が美しい、ゆったりとした曲。カーンは東洋人と思います。レコード全体に欠かせないニュアンスを付け加えています。「デアレスト・ブラッド」は、ジャッコ、バルビエリ、ミック・カーンとのバンド形態と言っていいセッション。そして「ソナタ・イン・H」では、大御所デイブ・ステュアート氏のピアノ演奏をサポートしています。この曲と次の曲では世界観が他とまるで違います。ステュアート氏さすがです。
ハリスンの演奏は、リズム・キープの役割よりサウンド・デザインとして効いています。「表現力のあるドラミング」と言いたいです。2023.03.16