ASCD399006(ART SUBLIME) 【99年発売CD】
2枚組、シリアル・ナンバーなし。
ちょいとセンス悪めのギーガーって感じのジャケはご愛敬ですが・・・EL&P、GENESIS、P.F.Mが好きなら、このメキシコのグループの気品とダイナミズムは必聴ものですよ!
メキシコ出身、99年のデビュー作。GENESIS、CAMEL、EL&Pを彷彿とさせる70sプログレ色と本格感漂うクラシック色が見事に融合して信じられないほど豊かな色彩を放つシンフォニック・ロックの傑作。端正なタッチのアコースティック・ギター、流麗なピアノ、リリカルなリコーダーなどから発せられる溢れんばかりの「気品」は、初期PFMにも匹敵します。丁寧に紡がれる精緻なアンサンブルが堪能できる小曲中心の前半、ハードさを増した「動」の部分をよりフィーチャーして、「静」と「動」の対比鮮やかなダイナミックな展開で圧倒する大曲中心の後半ともに半端でない才能を感じます。シンフォ・ファン必聴の傑作。
イタリアン・ロック好きにおすすめしたい中南米プログレ・セレクション!
イタリアン・プログレ好きの方の琴線にきっと触れるのが中南米のプログレ。厳選してピックアップいたします☆
レビューは登録ユーザーのみ記入できます。
ジャケットデザインでドン引き、内容でドはまり(5 拍手)
waterbearerさん レビューをすべて見る
メキシコのシンフォニックロックバンド、今の所?(既に解散?)唯一の作。
ロサンゼルス滞在中にかのR.フリップからギターのトレーニングを受けたというギタリストのマルコがこのバンドの中心人物。ギターはCAMELっぽい(特に90年代以降の)。たまに攻撃色を放つオルガンはEL&Pぽさもある。
M2の「El Eco de Tu Voz」はCAMEL風のギターワークと女性ヴォーカルが素敵。大袈裟な楽曲が続くが、時折「Paseo」や中世の影響を受けたと思わせる「Vorágine」のような短いアコースティックな曲が出てくる。これが実に効果的。そしてVo入りの収録曲で本作のハイライトである 「Corriente Abajo」はPFM や CELESTE などのイタリアの先人たちを思い起こさせる。CD2は「Iconos」という組曲でほとんどを占める。Voはあまり入らず、ほぼインストルメンタル曲になっている。彼らのKeyの音作りからは80年代以降のTangerine Dreamを思わせる重厚さを感じるところもあるが、ロックとしての構築美は十分に感じられる。
こうして聴いてみるとメンバーはかなりいろいろなプログレのアルバムを聴いていたんだろうと思う。ちなみにメロトロンっぽい音はサンプラー(E-muのEmulatorらしい)によるもの。
当初はCDは限定盤再発だったようだ。再プレスされた品も今やなかなかお目にかかれなく鳴ってきた。このH.R.ギーガー風のジャケットからは想像がつかない一大シンフォニックを堪能できる1枚(2枚組)としておすすめ。