DAVID BYRNE & BRIAN ENO/EVERYTHING THAT HAPPENS WILL HAPPEN TODAY
師弟関係とも言える2人による27年振りの共作、08年発表
1,110円(税込1,221円)
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爆音と背徳と暴力(1 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
正直申しまして、あまり気持ち良い音楽ではないです。ルー・リードの属性には、間違いなく暴力と背徳があり、その意味では彼の集大成と呼べるものです。「ルル」とは、19世紀末のドイツの戯曲「地霊」「パンドラの箱」の主人公の名。次々に男と結婚し、男たちを退廃へ導き、幕が変わると娼婦をつとめて次々に客をとる、という魔性の主人公です。サイレント映画では、ルイーズ・ブルックスがルル役をつとめ、20年代にはオペラにもなっています。
ルー・リードの棒読みが、メタリカの音を伴わなかったら、ここまで聴けたかどうか。わたしには無理です。2枚組という分量が「メタル・マシーン・ミュージック」を想起させますが、あれよりはマシだと申しておきましょう。
わたしにとって何より耐えられないのが歌詞です。中学生にもわかる歌詞で背徳と暴力が描かれていますが、マゾヒスティックなものがサディスティックにもなる、というルー・リードの世界観が現れています。というか、じじいになってここまでのめり込めるものなのか、と。わたしも若い頃は、この程度のエロはいけたんですけどねぇ、ふう。
メタリカの音楽は、素晴らしいものです。見事なサポート。この音楽の評価は、まだまだ定まらないのかも知れません。