スペインの正統派プログレ・バンド、09年発表の4th。全編に渡ってリリカルなフルートや優美なエレピがフィーチャーされた、CAMELなど往年のプログレを彷彿とさせるヴィンテージ色濃厚なシンフォニック・ロック。イタリアのグループに通ずるようなバタバタとせわしない展開が魅力で、性急なギア・チェンジを繰り返しながら、幻想的なパートとダーク&ヘヴィなパートとの間を行き交います。「静」から「動」へと、スパッと切り替わる部分のカタルシスはこれぞプログレ。ファンタスティックなパートではこれでもかと叙情性なフレーズで盛り上げ、ダーク&ヘヴィなパートでは、突っかかり気味のドラムに引っ張られながら、ギターがテンションあるフレーズを応酬します。演奏は、若干バタバタとしていて、はっきり言って技術は高くありませんが、それを補って余りある歌心とアンサンブルの妙があります。「音を紡ぐ」という表現がぴったりの丁寧なアンサンブルと大曲指向は、往年のプログレへのオマージュに溢れています。アナログ感覚に溢れた丸みのあるサウンド・プロダクションも印象的で、70年代の発掘音源と言われても何ら不思議ではない雰囲気。70年代の正統派プログレ・サウンドを求める方にはかなりオススメな一枚。
キーボード奏者Corrado Sardella率いるイタリアン・シンフォ・グループ、05年作、叙情に溢れるシンフォニック・ロックの逸品
2,390円(税込2,629円)
90年代以降にプログレ新鋭シーンが盛り上がり、00年代に入っても注目の作品が続々とリリースされています。その勢い衰えず、次々と優れたプログレ新譜が届く2015年。入荷した注目作をピックアップいたしましょう。
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