MONTREUX ALBUM

仕事納めにはグラム・ポップ（1 拍手）

たすけさん レビューをすべて見る

ロックのサブ・ジャンルは、傾斜で表現することができます。ギターとルーツ音楽に傾斜しているのがハードロック、鍵盤とクラシック、ジャズに傾斜しているのがプログレ、という風に。わたしがグラム・ポップを好きなのは、ふだん傾斜の強い音楽を聴いているので、それをバランスさせる意味合いなんだと思うです。しばらくグラム・ポップを聴くと、安心してR&Bやハードロックに戻っていけるからです。スモーキーは、コーラスに特徴あるグループで愛さずにいられません。10CCやセイラーほどひねくれていず、きちんとギター、ドラムズの音が大きい。それにロングプレイごとの出来不出来がないのも安心して聴ける部分です。

彼らにしたら5作目にあたります。びっくりするぐらい曲がよくて、全然飽きません。「パス・イット・アラウンド」や「リビン・ネクスト・トゥ・アリス」のような必殺ポップこそありません。でも「ライト・アップ・マイ・ライフ」という、彼らにしたら凝った大曲があります。ボーカル協奏曲と言いたいぐらいの。実は一回聴ききって、今二度目を回しているところ。テーマが他愛なくて、あまり考えこませないのもよろしい、です。

グラム・ポップの弱点は、CDを揃えるのに苦労するところです。消耗品音楽なので、買い時を逃すと何年もネットを検索する羽目になります。2023.12.28