79年作、名作青春映画のサントラ、ザ・フー『QUADROPHENIA』からの楽曲の他、ジェームス・ブラウン、ロネッツ、ブッカー・T&MG''Sなど
790円(税込869円)
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芸術なんぞに俺たち興味はない(2 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
今これを聴くと、アフリカの砂漠でオーパーツを発見したような気持ちになります。80年代の英国ニューウェイブもテクノも存在しない71年にオルガンだけでこの音を作り上げたのですから。トッド・ラングレンがプロデュースしていた事実を引き算しても驚きです。後年彼らはジョルジオ・モロダーとディスコに殴り込みをかけます。モロダーが彼らを誘ったのではなく、メエル兄弟がモロダーにディスコを教えたのです。恐ろしい事実です。
カリフォルニア生まれのカリフォルニア嫌いがメエル兄弟の本質です。二人はグラフィック・デザインやモデルで日銭を稼ぎながら音楽業界に進出することを虎視眈々と狙っていたのでした。これだけ突出したアイデアを持っていたんですから、西海岸の音楽やアート・ロックなんかは汗臭いものにしか感じられなかったと思います。とことんまで音楽家のエゴとか主観を排除して、見世物に徹する。これがファースト盤の目的です。そして流行や新商品となる。この盤は後年再発されて、英国上陸のときや米国帰還のときに再び売れたそうです。大した先見性です。
カバーアート二種類から二人がバンドとしてスパークスを開始する意図だったのがわかります。結局ユニットに落ち着いていきます。2024.08.11