ロシア産新鋭プログレ・バンドによる12年作。ギター・トリオ編成で繰り広げられる、テンションみなぎるアンサンブルが圧巻のヘヴィー・プログレ。タイトに打ち鳴らされるドラムスと手に汗握るような緊張感を強いるギターによる焦燥感を煽るアンサンブルを経て、突如としてヘヴィーな唸りを上げるギターが登場し、全てを押し流すように轟々たるメタリック・ギター・サウンドを聴かせます。そしてやがて現れるのはほのかなファンタジーを漂わせるギターが印象的な爽やかなアンサンブル。全編インストゥルメンタルのためロシアらしさというものはさほど感じられませんが、あたかも音のグラデーションのように変化していく曲展開が何とも素晴らしい一品です。