不遇の80年代プログレシーンにあって、NUOVO ERAなどと並び素晴らしい作品を送り出したイタリアのシンフォニック・ロック・バンドの、77年録音、92年発掘作。その内容はアコースティックな雰囲気を大切にしたセンチメンタルで柔らかなシンフォニック・ロックの隠れた名盤であり、各種ヴィンテージ・キーボード・サウンド、ポイントで登場し華やかさを演出するフルート、アコギの切ない調べが絶妙なバランスで混ざり合ったものです。バンド陣は決してテクニカルさで聴かせるようなタイプではなく、まさに味のある職人芸といった趣ですが、なんと言ってもメロディー・メイクのセンスが突出しており、女性ボーカリストLiliana Bodiniの抜けの良い歌声が一番の魅力と言えるでしょう。終始イタリアらしさの詰まった作品であり、シンフォニック・ロック・ファン、そして女性ボーカルのファンは聴いて損の無い内容となっています。
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