フランス出身のシンフォ・バンドによる90年発表の唯一作。全体的には同時期のポンプ・ロックに近いメロディアスでファンタジックな世界観が漂う作風ではあるのですが、そんな中でもかなりヘヴィーなサウンドを聴かせるギターと、それに負けないくらいに派手なシンセワークを披露するキーボードとの絡みが素晴らしいシンフォニック・ロック。ヴォーカルは英詞で歌いますが、フランスらしいシアトリカルさが感じられ、なかなか印象的。全編にわたりたっぷりとフィーチャーされたシンセにより若干コテコテとしたサウンドとは言えますが、そこをヘヴィーにうねるギターが貫くアンサンブルは痛快の一言。個人的には同時期に活動していたイタリアのSYNDONEを思い出させるサウンドです。いかにも時代らしい音ではあるものの、これは90年代シンフォとしては出色の出来栄えと言ってよい作品です。
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