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60年代末からその勢いを顕在させたサイケデリック革命による人々の意識の深化は、内的宇宙の拡張という、個々人の精神レベルでの冒険心をより大胆なものに変えていきました。今回、ここで取り上げるアーティスト達は、ただ単に地理的状況としての非英米というだけでなく、各々の国々の連綿たる文化や、東洋思想への憧憬、多発する社会主義革命や軍事独裁政治への抵抗など、その社会的動揺とも密接にリンクしながら、新たな「人間の歌」を産んでいきました。ここから更に更に奥へと続いていくアシッド・フォークの奥の細道。ここから先は、「何をもってアシッド・フォークとするか?」と言う問いを、聴き手の皆さんそれぞれが自らに問いかけながら、その声に従って紐解いて行かなけれなりません。
これぞ、ロリータ・アシッド・フォークの金字塔。16歳のフランスの少女によるヨーロピアンな、可愛らしいフレンチ・サイケ・ポップ、72年作!純白のドレスに身を包み、冬の森に佇む姿そのままの、幻惑的なユーロ・フォーク作品。
インド音楽の要素をふんだんに取り入れたスウェーデン・サイケ・フォークの70年作!タブラやシタールといった通常、スウェーデン人には縁遠いであろうインド伝統音楽の楽器を操る、表情豊かな汎サイケデリック・フォーク・ミュージックを実現。
あのゴングのデヴィッド・アレンがプロデュースしたスペインのバンド。ドリーミーなメロディー、美しいコーラス・ワーク、リコーダーやハーモニカによる黄昏のアンサンブルが印象的な78年の唯一作。
70年代初期のスウェーデンに、これほどまでのアシッド・フォーク作品があったとは。メロウネスと狂気との表裏一体。ドヨーンとしたところから浮かび上がる哀愁に胸打たれる逸品。
夭折したフィンランドのSSWアシッド・フォーク。繊細かつメランコリックなヴォーカル&メロディーが魅力のフォーク・シンガー。アコギ弾き語りをベースに、フルート、キーボード、ピアノが時に夢見心地な、ジャジー感のある歌。
「グラム・フォーク」??どこか初期ティラノサウルス・レックスを想起させる妖艶なアシッド臭が立ち籠める、中毒性高めのパリジャン・フォーク。
フランス産アシッド・フォーク、78年の唯一作!格調高く優雅なアコギ爪弾き+繊細なヴォーカル、物悲しく沈み込むようなヴァイオリン&フルートが心に残るドリーミー・アシッド・フォーク。アシッド臭の中に管弦等フランス的な洒落た雰囲気が。
仏出身SSWによる、デンマーク録音の呪術的なユーロ・サイケ・フォークの疑いなき名盤、81年作から。冒頭からオリエンタリズムたっぷりのインド中近東的フレーズに瞑想的にカッティングされるアコースティック・ギターが、深淵な歌世界を現出…。