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だから親の七光りと言われてしまう(4 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
あえて辛口に書きます。この盤は、ウィルスン・フィリップスが自然にブロークアップした後、12年ぶりに3人が再会し、西海岸にちなむバンドの曲をカバーしたものです。もとの曲を超えるカバーはありません。残念なのが「ゴー・ユア・オウン・ウェイ」や「ターン・ターン・ターン」のアレンジまでまるで変えていることで、弦楽オリエンテッドなコーラスは、場末の落ち目芸能人にしか感じられません。なぜ、リンジー・バッキングハムのぐいぐい弾くギターや、ロジャー・マッギンの12弦をカットしたのか。これらのもと曲は、ロック黎明期の西海岸のティーンエイジ文化と不可分なものであり、単なる楽曲ではありません。弦楽で代用できるような「やわ」な曲たちでないのです。
「マンデー・マンデー」やビーチボーイズのカバーは、それなりにロック魂を感じます。親父のやっていた曲だから手を抜けなかったということでしょう。なら、もっとほかのアーティストにもリスペクトを払ってもよいのではないか、と。結局彼女たちはセミプロでしかなかったんだと思います。曲もろくに書けなかったし…。よいコーラスとチームワークを持っていただけに、この程度で落ち着いてしまったのが残念なのです。
彼女らのファースト作の輝きを知っているだけに、それ以後企画盤しか出せなくなったことを悲しく思います。2024.02.29