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なつかしのDP・RAINBOW路線の北欧メタルへの飽くなき探求・第2章(2 拍手)
waterbearerさん レビューをすべて見る
一言で言ってしまえばレビュータイトル通りなのだ。北欧メタルというとメロディックなものではメロスピ…テンポが速くて劇的なメロディをウリにするバンド…が多いのだが、1980年代〜90年代頭の北欧メタルと言えば、Deep Purple、Rainbow路線のクラシカルなフレーズをウリとしたバンドが多かった。Biscaya、Crystal Pride、Universe、Silver Mountain、Rising Force、Proud、Madison…その後こうしたバンドは解散したりメンバーが他のバンドに加入したり、音楽のスタイルも洗練していく。しかしここに紹介するLars Eric Mattsson、先述の古き良き北欧メタル路線を一人追及しているお方なのだ。マルチプレーヤーでもあるようだが、もともとは1970年代末から音楽キャリアがあるらしく最初に触れた楽器はベース。20歳ころにギターに転向したらしい。さて本作、彼の2枚目のアルバム。クラシカルなフレーズを奏でるギターは速弾きになることなくクラシカルなフレーズがバンバンでてくる。しかも丁寧さを感じる。収録曲はVoが入る曲とインスト曲が半々くらいかな。Voはよく言えばエモーショナルな声。悪く言えば上手とは言い難い。しかしそれでいいのである!Keyの入り方は大袈裟にならずメインがあくまでもギターなのだという風味付け的な扱いだ(M5でKeyによるソロが聴けるけど)。楽曲全体に言えるのは洗練度が高くない。ズバリこの曲!というのがないのが唯一の欠点かもしれない。が、インストのバランスがよい。アンサンブルの妙か、聴き飽きないのも魅力か。
現在もアルバムを出しているが、LION MUSICという音楽レーベルの社長でもある彼。本作が気に入ったら前作[Eternity]や洗練度が上がった(といってもたかが知れているが)1992年の[Vision]もおすすめだ。