50年代末より活動、名ソフト・ロック・トリオ「ゴーゴニ、マーティン&テイラー」で知られるNY出身SSW、71年のソロ唯一作
570円(税込627円)
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ツェッペリンよりツェッペリン(4 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
わたしの周りでは「ゴジラ・マイナス・ワン」の評判が良くないのです。いわく昭和ゴジラが最高。セリフが冗長。子役の演技が云々。どうして優れたこの映画の物語と特撮、音楽をみんな感じないのだろう。反論するより、劇場ですすり泣きながら観ている人たちと時間を共有したいです。グレタ・ファン・フリートも、ハードロックのリスナーであるほど否定的なことをおっしゃいます。どうしてこんなに優れた音楽を感じようとしないのでしょう。わたしは涙まで出てくると言うのに。
彼らはこのCDをEPと認識しているらしく、実際「アンセム・オブ・ザ・ピースフル」に比べるとまだ大味です。しかしこの張りまくったスネアの音、ジャック・ブルースのようにうねるベースを聴いてください。余裕しゃくしゃくのふざけたギターを聴いてください。そして声の出なくなったロバート・プラントが跪きそうな魂の声を聴いてください。あなたは、ハードロックに浸かってしまった自分の人生に悔いが残らないはずです。もうツェッペリンの音が必要なくなると書いたら書きすぎでしょうか。
わたしが彼らの強みだと思うのは、ゼップ的でありながらエモーショナルなメロディーを持っているところ。よく聞けば全部グレタのオリジナルです。グレタ・ファン・フリートは、実際に会話で聞いたオランダ系米国人おばさんの名前だとか。こういういい加減な理由でバンド名をつけるセンスもいいです。
この先、グレタの新作待ち遠しいなあ、と思いながら死んでいく老後を想像してしまうんです。2024.02.27