AMS194CD(AMS)
紙ジャケット仕様、ブックレット・内袋付仕様。
夜明けのように幻想的なイントロ。ドラムを合図に、ギターがリリカルに疾走し、メロトロン、フルートが重なる。フィナーレでは、スティーヴ・ハケットが乗り移ったかのようなギター。完璧なオープニング曲!
FINISTERREやLA MASCHERA DI CERAの中心人物Fabio Zuffantiによるプロジェクト・グループ。90年代以降のイタリアン・シンフォを語る上で最も重要なグループ。春『SPRINGSONG』、冬『WINTERTHROUGH』、秋『AUTUMNSYMPHONY』に続き、四季をテーマにした作品の『夏』編。2011年作。キーボードがまるで幻想的な夜明けの風景のように広がり、パーカッションが躍動し、煌びやかなキーボードが朝露のようにこぼれ落ちる。そんな映像喚起的なイントロから期待度120%!太陽光が広がるようにドラムがスパっと入り、風のようなSEとともに、ギターが疾走を始める。メロトロンが溢れ出すのを合図にクールな音像へと場面が切り替わり、フルートがリリカルなメロディを奏で、アコギのアルペジオが入り、グッとファンタスティックなアンサンブルへ。柔和なトーンのムーグがしなやかにメロディを奏で、フルートが入って会話するように折り重なる。混声合唱のサンプリングとともに、フツフツとエネルギーを増加。フィナーレでは、スティーヴ・ハケットが乗り移ったかのようなギターが優美なメロディを奏でる。完璧なオープニング曲。2曲目は、一転して格調高いピアノではじまり、艶やかな弦楽器が重なり・・・。文句なしに素晴らしいサウンド!HOSTOSONATENの作品にやはりハズレなし。ファンタスティックなシンフォニック・ロックのファンは必聴の名作です。
68年イタリア、ジェノバ生まれのベーシスト/コンポーザー、Fabio Zuffantiによるシンフォニック・ロック・プロジェクトです。
Fabio Zuffantiは94年に音楽活動を始めて以来、多数のバンドやプロジェクトに関わり、40以上の作品をリリースしてきました。
2001年より春夏秋冬をテーマにした連作アルバムをリリースしており、今作『SUMMEREVE』はその最終章、「夏」にあたります。
よろしければこちらもご覧ください。↓
【関連記事】
HOSTSONATEN、FINISTERRE、LA MASCHERA DI CERAを率いて次々の傑作をリリース。90年代以降のイタリアン・ロック・シーンを牽引する天才と言って過言ではないFabio Zuffanti関連作を特集!
この作品の特徴は、何と言ってもその叙情的なサウンドにあります。
再生してみれば、聴く人それぞれにとっての「夏」が浮かんでくることでしょう。うだるような暑さ、咲き誇る草花や短い命を生きる虫たち、少し寂しい夕暮れ・・・などなど、いつかの夏に体験した景色や感情がまざまざと浮かんできます。ものすごい映像喚起力です!
それでは冒頭の楽曲をどうぞ。
♪Season’s Ouverture
「夏」を表現するのに重要な役割を果たしているのが、シンセサイザーの豊かな響き。
冒頭の神秘的なシンセサイザーの音色が素晴らしいですね!まさに燃えるような朝焼けという感じで、これから始まる夏の一日を予感させてくれます。
しばらくすると土着的な響きのパーカッションが打ち鳴らされ、テンションが徐々に高まったところで、シンセサイザーによる美しい主題のメロディーが。まるで日の出を思わせる生命力豊かな演奏です。心揺さぶられずにはいられません!
このアルバム特徴のひとつは、メロディアスな泣きのギターです。
ラストを飾る楽曲を聴いてまいりましょう。
♪Edge Of Summer
美しく繊細なピアノで始まるこの楽曲、次第に入り込むギターがタメの効いた哀愁あるメロディーを奏で、これでもか!と泣きのギターを聴かせてくれます。
アルバムの最後を飾るのにふさわしい、ダイナミックなギターです。
最後に、個人的にぐっときたポイントを。
この2曲の流れが非常にかっこいいんです!
♪Under Stars
アコースティック・ギターとエレピ、キラキラとしたパーカッションが涼しい木陰を思わせます。
♪Blackmountains
前曲のフィンガー・シンバルの音色に被さり、攻撃的なギターが奏でられ、パーカッションと共に不穏なサウンドへと進化していきます。涼しい木陰の世界が一瞬で打ち破られ、夏の夕立がやってきたかのようです。
この予測不可能、Fabio Zuffantiの手のひらで転がされるような見事な構成力にぞくぞくとさせられます。
ギリシアはアテネ出身のプログレ・グループ、現代伊プログレ注目のバンドYUGENのメンバーも参加し、圧倒的に幽玄なサウンドを聴かせる2010年デビュー・アルバム、これは傑作!
2,690円(税込2,959円)
LOST WORLD BAND(LOST WORLD)/SOLAR POWER
現代ロシアを代表する3人組プログレ・バンド、前作を上回る密度と緊張感がみなぎる13年作4th!
2,290円(税込2,519円)
08年作、次々とイメージが溢れ出る、ダイナミックなシンフォニック・ロックの名作
元FINISTERREのFabio Zuffantiによるグループ、BANCOやMUSEOなど往年の作品を彷彿とさせる名作1st、02年リリース
ロシアン・シンフォ新鋭、11年作、70年代プログレの遺伝子を受け継いだ正統派プログレとして一級の傑作!
00年代のBIG BIG TRAINで活躍したヴォーカリストによるソロ、BBT脱退後の2011年作
イタリア新鋭11年作、きらびやかなキーボードと硬質なギター絡むドラマティックなキーボード・シンフォ、11年作
アングラガルドを起点に、メロトロン溢れる新鋭プログレの傑作をピックアップ!
北欧の雄アネクドテンやアングラガルドを起点に、メロトロンが活躍する現代の名作をご紹介!
新鋭バンドたちによるコンセプト・アルバムの力作の数々をご紹介いたしましょう!
ジャケットにたった「1本の木」を描いただけでも、バンドの音楽性に応じて色々な違いや独特の趣が見えてきます。今回はそんな「1本の木」ジャケットの新鋭プログレ作品を見てまいりたいと思います。
今回は、「夏」をアルバム・タイトルに冠したプログレ作品を探求してまいります☆
少しでも涼しくなれるようなアルバムをピックアップしてみました
『カケレコのロック探求日誌』一週間一気読み!〜「雪見プログレ」〜
雪を連想させる、冷たく美しいプログレッシブ・ロックを集めました。
netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第33回 HOSTSONATEN / Summereve (Italy / 2011)
「ミュージシャンの視点からプログレッシブ・ロック作品を捉える」ことをコンセプトに、同じ時代を生きる世界中の素晴らしいプログレッシブ・ロックアーティストたちの作品を幅広く紹介するコラム。担当は、MUSEAからデビューした日本のアーティストnetherland dwarf!
【タイトル追加】文学作品をテーマとする世界のプログレ・コンセプト・アルバム特集!
世界各国より文学作品をテーマに制作されたプログレ・コンセプト・アルバムの名作をご紹介してまいりましょう!
2016年プログレ/シンフォ注目の新譜特集【イタリア新鋭編】
90年代以降にプログレ新鋭シーンが盛り上がり、00年代に入っても注目の作品が続々とリリースされています。その勢い衰えず、次々と優れたプログレ新譜が届く2016年。入荷した注目作をピックアップいたしましょう。
2016年に入荷した各国注目の新鋭作品をピックアップしてまいります☆
盤質: | 無傷〜傷少なめ | 傷あり | 傷多め
状態: | 良好 | 並 | 不良 |
※ 軽微な圧痕あり
「四季」を描ききった伊プログレ新鋭による傑作をまだ聴いていない!? この「冬」編で聴けるメロトロンとピアノによる「凛」としたサウンドは、並の才能では出せませんよね。
盤質: | 無傷〜傷少なめ | 傷あり | 傷多め
状態: | 良好 | 並 | 不良 |
※ 経年変化あり
「四季」を描ききった伊プログレ新鋭による傑作をまだ聴いていない!? この「冬」編で聴けるメロトロンとピアノによる「凛」としたサウンドは、並の才能では出せませんよね。
AMS227CD(AMS)
紙ジャケット仕様、DVD+CDの2枚組、DVDの入力方式・リージョン不明
盤質: | 無傷〜傷少なめ | 傷あり | 傷多め
状態: | 良好 | 並 | 不良 |
※ 盤に小さい汚れあり
HOSTSONATENの12年作、素晴らしかったですよね〜。なんとその舞台化作品が映像/音源化!12年作には未収録だったパートも追加されており、見所&聴き所満載の作品となっています!
レビューは登録ユーザーのみ記入できます。
傑作必聴シンフォ(4 拍手)
boraさん レビューをすべて見る
四季シリーズ完結編「夏」。こんな感動的な作品とリアルタイムで巡り合えるって素晴らしい。フルート、オーボエ、弦楽四重奏も配し、この美しい完成度を目にし稚拙な表現で申し訳ないが、ジェネシスシンフォをベースにニュー・トロルスのリリカルなクラシカルさを加えた、とでも言えば少しは伝わるか。力強い太陽、イタリアにみなぎる光り、風が戯れる碧い海、そんなドラマチックさの中で、ロマン香る「春」から、哀愁の「秋」へ移り変わっていく、ある意味、主役が描かれており、実はここが「始まり」なのかもしれない。
「夏」・・・・結末もやはり悲しい(1 拍手)
akagiさん レビューをすべて見る
「四季」4部作の最後を飾る「夏」。 ソラリスをどうしても思い出す。 HOSTSONATEN。 やはり、最後の最後まで”物悲しい”作品を貫いた。 プログレは死んでいないんですね。 人を感傷的にさせ、はたまた、印象的なフレーズで感動させる。 まだまだ、居るんですね、こういうアーティストが。 プログレは素晴らしい。