KD4011(ELKAR)
スペインはバスク地方が誇る古典的シンフォ名作と言えば?キャメルをも凌ぐほどにリリカルなアンサンブル、切なさに胸がつまるバスク語のヴォーカル。これは絶品です。
バスク地方出身の好グループ。シンフォニック・ロックの大傑作「ITOIZ」に続いてリリースされた2ndアルバム。80年作。ジャケットのイメージ通りのノスタルジックな雰囲気はそのままに、サックス、ヴァイオリン、シンセサイザーの導入により前作以上にバラエティに富んだプログレッシヴなサウンドが印象的。女性ヴォーカルITZIARが一曲ゲスト参加。1stと並ぶスペイン・シンフォニック・ロックの傑作。
スペイン・バスク地方において、もっとも重要なグループとも位置づけられるのがこのITOIZ。77年というユーロ・プログレとしては比較的遅い時期にデビューを果たしながらも同地方のロック・シーンを牽引する存在として活躍、88年の解散以降も同地で愛され続ける名バンドなのです。
特に初期の3作品はバスク・プログレの魅力を凝縮したような名作揃いで、世界のシンフォニック・ロック・ファンを虜にしてきました。
デビュー作となった前作での泣きの叙情に満ちたシンフォニック・ロックから大きくスタイルを変えて、ジャズ・ロック的なタイトさを加えたサウンドを聴かせるのがこの2nd「EZEKIEL」。とは言え、サックスやヴァイオリンがメロディアスに彩るアンサンブルからは前作と変わらぬ異国情緒を含んだ得も言われぬ哀愁が匂い立ちます。素朴に歌われるバスク語ヴォーカルも涙を誘います。バスク・プログレ屈指の名盤としてユーロ・ロック史にもその名を刻む作品と言えるでしょう。内容をこれ以上無いほど表したアートワークも素晴らしいですよね。
Bass, Vocals – Shanti Jimenez
Flute – Joseba Erkiaga
Guitar, Vocals, Music By – Juan Carlos Perez
Keyboards – Antton Fernandez
Percussion – Mitxel Longaron
Saxophone, Piano – Carlos Jimenez
Violin – Fran Lasuen
「Ezekielen Prophezia」
アルバムのオープニングを飾る一曲。サックス&ヴァイオリンが舞う味わい深いジャズ・ロック・テイストの演奏が絶品ですよね。
全体に明るい曲調ですが、不意に切ない民族色溢れるサウンドが現れ言い知れぬ哀愁を生み出しています。
「Ezekielen ikasgaia」
バスクの誇る名フィメール・シンガーItziar Egileorをヴォーカルに迎えたナンバー。バスク叙情溢れるセンチメンタルな歌声にグッと来ます。
スペイン北部からフランス南西部にまたがって広がるバスク地方。現在スペイン領側は自治州となっており、バスク人が住みバスク語が話されバスク独自の文化が根付く、文化的/民族的に特別なエリアとして知られます。1939年以降フランコ独裁政権下におけるバスク語の禁止やバスク国旗掲揚の禁止など40年近くに及ぶ抑圧政策を受けた暗い歴史を持ちますが、フランコ死去による独裁体制の崩壊、そして「スペイン1978年憲法」の制定により強い自治権が認められたバスク州は以降文化の復興を進め、それに前後してバスク語によるロック・ミュージックも次々と登場するようになっていきました。
バスク産ロック・ミュージックの最大の特徴と言えるのが、現存する世界のどの言語とも関連性が見出されていない系統不明の言語バスク語の存在。そうした事情や言語そのものの複雑な体系もあり、世界で最も習得が難しい言語とも言われています。欧州の言語よりもヘブライ語あたりの響きに近いエキゾチックな語感を帯びていて、どこか言語そのものに哀愁が秘められているようにすら感じさせるのがバスク語ならではの味わい。失われた古代語にルーツに持つ謎の言語、何だかロマンがあってワクワクしてきませんか?
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盤質: | 無傷〜傷少なめ | 傷あり | 傷多め
状態: | 良好 | 並 | 不良 |
※ カビあり、ケースツメ跡あり
スペインはバスク地方が誇る古典的シンフォ名作と言えば?キャメルをも凌ぐほどにリリカルなアンサンブル、切なさに胸がつまるバスク語のヴォーカル。これは絶品です。
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