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ネットショップなのに、試聴機が!? スタッフがテーマ別にCDをセレクト&レコメンド!
時は1970年、フィラデルフィアの街頭で、PERRY LEOPOLDという一人の青年が、自らの手で制作したフォーク・アルバムを、道行く人々に300枚無料で配布しました。彼はそのアルバムのB面3曲に「DROP」と言う表題を付け、そのB面3曲を「ACID-FOLK」と呼びました。その作品は、録音水準は稚拙ながらも、カウンター・カルチャーの隆盛を誇った70年前後のアメリカで、愛や政治を歌に託し込みながら、そのドラッグ・カルチャーにあった超越性を何処か音の端々に感じさせる、時空間を歪ませたかのような「異形」の新しいフォーク・ミュージックを予感させるものでもありました。今日、多くの愛情溢れる音楽ファンの間で日夜囁かれる、ACID FOLKという言葉。その言葉の根底にある、儚くも闇と孤独を内包した歌たちは、一体、何処から来たのか…。ここでは、ACID FOLKの起点的代表アーティスト等の作品を取り上げ、改めてその音楽性の原点に立ち返ってみたいと思います。
12弦ギターを鳴らしながら、自分に合った時間軸で歌う。この何処までも自然体なグリニッジ・ヴィレッジの大将が、太く穏やかに歌うこの柔らかく温かい雰囲気もまた、アシッド・フォークの醍醐味の一つ!
NYグリニッジ・ヴィレッジにその一際異様な時間の流れを醸し出していたであろう、彼女のたゆたうような枯淡の歌声。フォーク・ブルースに歪んだ音の座標軸を示唆する、深い深いKARENの歌世界。
米SSWから遠く離れて、ジャズ・インプロヴィゼーションによるアプローチへの傾倒を深く感じさせ始めたTIMの時を固定してしまう程の求心力を秘めた名曲。前妻と息子のJEFF BUCKLEYへ捧げられているそう…。
カリフォルニアに住む歯科衛生士という意外な素顔が明らかになった、世界の境界の向こう側へいざなう、天使のような清廉な歌声。絹越しに煌く陽光、もしくは残光に揺らめく水面のような美しい楽曲です。
史上初めて、「ACID FOLK」という言葉を公に用いたとされる、PERRY LEOPOLDによる70年に自主制作された作品からの冒頭曲。政治的主張、人間愛を歌に託しこみながら、超越的な時空を表出させる金字塔的音源。
アメリカのデュオ。78年に自主制作。英国ものに通ずる「気怠さ」と「哀愁」が印象的なメロディアス・フォーク作品。全体に内省的な雰囲気を感じます。ゲストの女性Voがコーラスを取るところ等、FAIRPORTっぽい奥ゆかしさもあります。
インディアナ出身の男性フォーク・デュオ。70年の唯一作。ライナーには、Fresh Maggots、Linda Perhacs、Lambert & Nuttycombeのファンにオススメとあり。優美で繊細なメロディ、心に染み渡るハーモニーは絶品。リコーダーやファズもイイ塩梅。
カナディアン・激レア・フォーキー、男女混成ビート・フォークの名品74年作…!柔らかい白昼夢のような音色の中をJEFFの更に味わい深いヴォーカルが、恍惚としたアシッド・フォーキーな音像に絡みつく様は、まさに空気感を支配した歌と言えます。
カントリー風味の枯れた歌声が味わい深い、米アシッド・フォークSSW、ストレンジな74年作。レア・アシッド・フォーク盤として、好事家達の間で高値で取引されているのも頷けるストレンジな一枚です。謎の風音SEに奇妙なトリップ感も…。
アシッド・フォークが持つざらついた音の肌触り、英プログ・フォーク/ジャズ・ロックのように洗練されたサックス、ピアノ、楽曲構成がセンス良く混ざり合った、異色の米フォーク・ロック80年作がこちら。温もりのある男女ヴォーカルも◎。
米デトロイト出身、カルトな人気を誇るアシッド/サイケ・フォーク、当時僅か200枚だけ自主制作された71年作。フォーク・デュオ・スタイル&宅録一発録りというラフな作り。そこへたっぷりと霧がかったリバーヴが声とギターを舞い上げる!