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祝祭の時

ユニヴェル・ゼロ

MAR95147() 【95年発売CD】

定価2468。

評価:50 1件のレビュー

チェンバー・ロックの始祖的存在ですよね。このチェンバー・ロック由来の緊張感とハード・ロック的スピード感/攻撃性との絶妙なる均衡は圧巻。これぞずばりチェンバー・ハード・ロック!!

ベルギーが誇るチェンバー・ロックの名バンド、2ndまでの暗黒チェンバー・サウンドにロック的ダイナミズムが導入された81年作3rd

ドラマーのダニエル・デニを中心に結成され、74年にデビューしたベルギーを代表するチェンバー・ロック・グループ、81年作の3rd。前作からオリジナル・メンバーでありギタリストのロジェ・トリゴーがPRESENT結成のために脱退。本作よりKey奏者アンディ・カークが加入し、ベース、ドラムに、管楽器(オーボエ/バスーン)、弦楽器(ヴァイオリン)、キーボード(ピアノ/オルガン/ハルモニウム/メロトロン)を加えた5人編成で録音されています。ストラヴィンスキーやバルトークなど、非西洋的なバーバリズムの視点で変拍子、不協和音が渦巻くサウンドを展開した<原始主義>を素材に求め、パンク/ニューウェイヴの嵐吹き荒れる中でロックを「衝動」と「芸術性」の両面で推し進めようとしたダニエル・デニの表現(=暗黒チェンバー・ロック)が最高潮に達した代表作。前作以上に運動性能を増したシャープかつスリリングなロック的ダイナミズムと、近現代クラシックに根ざした非西洋的暗黒ゴシック趣味が渦巻くサウンドは、テンションはちきれんばかりで、オープニングから、彼らの代表曲であり、チェンバー・ロック屈指の名曲と言える「Dense(濃厚)」で聴き手を一気に飲み込ます。複雑極まりなくとめどない変拍子を繰り返しつつも、パンク勢にも負けない初期衝動的なダイナミズムも持ち合わせた凄まじすぎるドラムをバックに、バスーンとヴァイオリンが時に低域でウネリながら暗黒世界を描き、時に一気呵成に強迫的に畳みかけ、時に爆発寸前の静寂した密教的空気をたちこめる。破壊的なテンションと緻密な構築美は、キング・クリムゾン『太陽と戦慄』にも引けを取らない完成度を誇る、ワールドワイドな傑作!

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評価:5 黒沢明の映画音楽が好きな人は、「ハマる」と思います(6 拍手)

たすけさん レビューをすべて見る

この作品の発表当時、ヘンリー・カウを中心としてRock In Opposition(RIO)という原理主義運動みたいなものがありました。商業主義を排しロック本来のラジカリズムに立ち戻ろうとするムーブメントで、ヨーロッパ各国からいっせいにアンチ・コマーシャリズムの音楽が出てきたと思います。マグマやアレアも、そうした文脈で語られることが増えた時代でした。わたしと言えば…なにか、なじめなかったです。

ユニヴェル・ゼロはジャケットで買いました。何の予備知識もなく。…たまげたのなんの。1曲めのダイナミズムには今でも打たれます。こりゃ、キング・クリムゾンではないか。なんとカッコいいのだろうと。あとで何かのインタビューで知ったのですが、彼らはグループ結成時には楽器もほとんど出来ない状態だったということを知って二度驚きました。

ユニヴェル・ゼロというグループ名は、マグマ別プロジェクトのUniveria Zektからとられたのではないかと思っています。マグマに抵抗ある人でも、インストルメンタルなので、「いける」のではないでしょうか。意外と牧歌的な曲もありますし。あと、黒沢明の映画音楽が好きな人は、「ハマる」と思います。

ナイスレビューですね!