プログレッシヴ・ロックの中古CD豊富!プログレ、世界のニッチ&ディープな60s/70sロック専門ネットCDショップ!
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アワグラスは、ドラマーのジョニー・サンドリンをリーダーとするバンドで、曲もサンドリンがスタンダードを選んでいます。オールマン・ブラザーズ、あるいはディエイン・オールマンの軌跡が知りたくて購入する人がほとんどだと思いますから、この前提は押さえておいてください。グレッグはボーカリストとしての役割しか果たしていませんし、デュエインにいたっては伴奏奏者という位置づけです。簡単に言うと、ホワイト・ソウル。悪くはないですが、演奏はおおよそ凡庸なものです。つまり、この段階では、デュエインの才能を誰も感じていなかったわけです。
アワグラスの拠点は南部ではなくカリフォルニア。ニッティー・グリッティー・ダート・バンドのマネージャーが彼らの可能性を見出し、連れて行ったようです。ところが加州では、誰もアワグラスのやる泥臭さを理解できませんでした。何となくわかる話です。結局バンドは再び南部に拠点を据え直して後日大成しますが、それもまた少し未来のことです。オールマン・ブラザーズ結成までは、デュエインはマッスル・ショールズでスタジオ音楽家をこなして日銭を稼ぐことになります。
わたしはゴフィン・キング曲の「ノー・イージー・ウェイ・ダウン」ぐらいが好きでしょうか。もとになった曲がいいのですけど。グレッグの書く曲が一曲あります。まだまだ、と言ったところです。2024.04.24
ロリー・ギャラガーと言ったら、しゃきしゃきブルーズか、はつらつブギというイメージだと思います。後年のトリオ活動に比べてどうにもハードルが高いのがテイスト時代です。わたしは、テイストの雰囲気がどうもよくわからなくて…。ハードロックというわけでもないし、ブルーズの匂いもあまりしません。いや、たしかにブルーズなんですけど、ロリーの趣味が散らばっていて、なかなか一つの聴きどころに収束しづらいのです。
例えば「イトハズ・ハプンド・ビフォア・イトル・ハプン・アゲイン」というジャズ曲があります。出だしは、速いギターのスキャット、途中でロリーはサキソフォンに楽器を持ち替え(吹き替えか…)ます。ロリーのソロに、渋くかっこよくベースとドラムズがクールについて行くのです。終わりにスキャットに戻ります。フュージョンなんてものではなく、純粋にハードバップ期のようなジャズです。ほかにアクースティックのバラードもあるし、アラブ風なスロー曲もあります。
クリームやジェフ・ベック・グループ第1期のような音の丸みがあって、これは貴重です。71年以降では消えてしまうビンテージの音と言ったらいいでしょうか。ちょっとこもりつつ、豊潤なギターのトーンと残響です。しかし「乗り込んだ」というタイトルと裏腹に、ベースとドラムズは船を降ろされてしまうのでした。2024.04.23
このCDは、わたしにとってまさに「待望」だった代物です。難関だった「ライブ」「ブレイクスルー」を海外ユーザーと直に取引する(必然的にプレ値で)挙に出ていたわたしにとって、メルレンズ・ゴングの最後の宿題だったからです。2011年にesotericが再発するまで、全世界で流通する唯一のCD音源でした。メルレンズ・ゴングにとって最後のメジャー・レーベル作です。早い話が契約を打ち切られてしまった。これがオールドフィールドの「クライシス」の前々年ですから。インストルメンタルに理解がない業界は悲しいです。
冒頭の17分「リーブ・イット・オープン」がメランコリックで冷たくて素晴らしい出来です。ベノワ・メルレンほかビブラフォン隊もいなくなってピエールがひとりで叩いています。どうしてこんな寂しい旋律を思いつくんでしょう。「タイム・イズ・ザ・キー」や「セカンド・ウインド」に勝るとも劣りません。ボン・ロザガのギターも良いです。ジャズ・ロックのひとつの到達点と思って大事に聴いているCDであります。
このあとのピエール・メルレンの道程は、なおさら寂しいものです。スウェーデンのトリビュートに参加したり、自主制作に近い制作を続けたり、ロシアに渡ったり…。盟友オールドフィールドも、自分が儲けているんだからメルレンの口添えしたってよかったんじゃないの…。今ではそう憤慨しています。2024.04.22
「ルー・リード」「トランスフォーマー」「ベルリン」と続いたヨーロッパ制作の後、ルー・リードの初のNY録音。ヨーロッパに渡ってしまったのはジョン・ケイルを追いかけたのか、ストーンズに憧れたのか、デイビッド・ボウイと親交を深めたかったのか。おそらくそのどれもが要因なのでしょう。肝心なのはルー・リードが強靭なR&Bビートを伴って米国に帰ってきたことで、ボウイがソウルをものにする前哨になった気がしています。一説ではリードにはやる気がなくて、録音も一発録りだったとも聞きます。でもリードの歌い方にソウルのビートやコーラスがつくのは悪くありません。
ルー・リードはこのアルバムの翌年、初来日しています。ベルベットをその頃聴く人も少なくて、ラジオで「サリー・カント・ダンス」や「キル・ユア・サンズ」(思春期に彼が精神科に連れていかれた話)がかかってプロモーションされていました。わたしはこのオンエアでリードを知ったので、このレコードに特に愛着があります。今聴き直すと「N.Y. スターズ」 なんてロキシー・ミュージックそのものですね。リードはこのあとライブを2作続けて、ソウル、ロックンロールのシンプルな傾向を深めていくのでそのきっかけになったと思っています。2024.04.21
まだ髪の毛が黒かった頃のジミー・ペイジ参加ライブです。ツェッペリンの曲をクロウズがやる、という意味以上のものを見いだせない代物なんですが、これが内容なかなかよくて。ジミー・ペイジにすれば楽だったし、楽しかったと思いますよ。ベーシックなところはリッチ・ロビンスンとオードリー・フリードがやるわけだし。ペイジは、聴衆の期待に応じてにこにこして、決めのソロだけ弾けばいいわけですから。これでギャラはクロウズの連中よりふんだくってるんだろうな、と。そんなことまで考えるライブであります。
クリス・ロビンスンがロバート・プラントのファンかと言いましたら、どうもそう思えません。持ち歌のほうが気合入っている雰囲気があるからです。選曲は渋いです。「ノーバディズ・フォールト・バット・ミー」とか「インザ・ライト」「ヘイヘイ・ホワッキャナイ・ドゥ」まで演奏してます。クロウズの面々は、やりますねぇ。ツェッペリンは、ドラムズやベースのリフ、パターンが曲の決めになる場合が多いから、カバーやりにくいはずです。譜面どおりにいかないと申しますか。
わたしの考えるツェッペリンのベスト曲「テン・イヤーズ・ゴーン」やってくれています。ツェッペリンの後期ライブはブートでしか聴けなくて、しかも大したものではないから、これは嬉しいです。2024.04.20
きょうは何聴こうかな、と。カケレコさんの中古リストを眺める。おっ、バッドフィンガーか。この盤書いてなかったな。別部屋(廊下ともいう)の段ボールからCDを捜索して、PC部屋へ戻り、プレイヤーにセット。おお、おお、こいつは聴いてなかった。びっくり。…で、今書いています。書いてないどころか聴いてもいないわけです。毎日レビュー上げているんだから音楽くわしいと思っていらっしゃいます? …いいんですよ。職業ライターじゃないんだから。こちとら本業で残業しながらノーギャラで書いてるんだから。
すさまじく良い盤でございます。これをパワーポップと呼んだら叱られます。「ジャスタ・チャンス」の激しさとか、「デニス」の美しさとか、「インザ・ミーンタイム」「ミーンホワイル・バック・アッザ・ランチ」の劇的な盛り上がりとか…。彼らの青臭さは見事に昇華され、ジェネシス級の構成と展開を楽しませる、成熟した音です。彼らの恋愛観は、どうしてこう悲観的なんでしょう。ビートルズの弟みたいな言われ方しますけど、勝ち組ビートルズにこの味は出せません。
これだけ完成した見事なレコードを作り上げながら市場に受け入れられなかったら、そりゃ落ち込むでしょう。バッドフィンガーのせいではない。耳が出来ていなかったマーケットのほうが悪いです。「誰も知らなああい。なんて素晴らしいんでしょう」とミカが語ります。50年後にこれを聴くわたしを予言していたのか、と。2024.04.19
74年の8作めです。コマーシャルなレコードでチャート・アクションを狙ったのに、それに失敗し、それならと目一杯ポップにかじ取りを行ったレコードでございます。ドン・バン・ブリート(ビーフハート隊長)は、このレコードをごみ呼ばわりし、買わない方がいい、などとリスナーに呼びかけたこともあったようです。…がしかし、「トラウト・マスク・レプリカ」を最後まで聴けなかったユーザーにとっては、逆張りでビーフハートに入るきっかけになると思われませんか。しかもこのCD、ほとんど見かけません。これは「買い」です。ほれ、ぽちっとぼちっと(意味不明)。札束を握りしめて、無条件保証と銘打った商品は、このような精神に基づいています。どんな精神なのじゃ。
いや、聴きやすい。2分から3分の曲が次から次に出てきて、しっかりリフもあれば、コーラスもサビもある。隊長の歌声はいつものとおり恐怖を感じます。でもズート・ホーン・ロロと、アレックス・サン・クレアのギターの美しいこと。歪みなしのプレーンな響きは、80年代のモノクローム・セットやキュアを思い起こさせます。「フルムーン・ホット・サン」の冒頭なんて美しすぎて悶絶します。どろどろのブルーズも出てきません。大好きですよ、わたし。2024.04.18
ローリング・ストーンなどが不定期に行うギタリストのランク付けを、みなさん、どんな思いで見ていらっしゃいますか。全部のギタリストを投票者が聴いていない以上、わたしは無価値であると思います。少なくともデュエイン・オールマンとフランク・ザッパがリストになかったら、わたしはその記事を無視します。デュエインを上位に持ってこれないレベルでは、わたしと「趣味」が違うと申しておきましょう。このアンソロジーは、そんなデュエインの神がかり的な冴えを聴くのに十分なラインアップです。頭が下がります。
オールマンの前身、アワーグラスのBBキング・メドレーから始まります。アレサといい、キング・カーティスといい、彼のギターがなかったら音楽が成り立ちません。ボズ・スキャッグズにいたっては主役の座を完全に奪われています。ディスク2は、デラニー・ボニー、クラプトン、オールマンから構成されて、デュエインのベスト・アルバムと聞くのにぴったりです。演奏は、アフリカ系の奏者と比べてもブルーズの真髄に達しているんじゃないでしょうか。魂のギターと言いましょうか。何より個性的でこの音にのめり込みたくなる人間臭さがあります。
ところでカケレコさんの中古入荷リストを見ただけで、どんな人が売り手なのかわかることがあるでしょ。最近のわたしの愉しみでもあります。2024.04.17
なぜわたしは、ブラック・ミュージック本体を聴かずして、白人の行うアフリカ系音楽シミュレーションのほうを聴いてしまうんだろう。このレコードの音を出すとき、いつも感じる疑問です。ストーンズがかなり気合を入れて練習したとしても、アフリカ系人に比べるとリズムの下手さ加減は隠しようがありません。しかし、この不器用なリズムを愛してしまうわけです。また、ギターに関しては、ロン・ウッドの弾くリード部分がかなり気に入っています。特に「ハンド・オブ・フェイト」の。
同じく「チェリー・オー・ベイビー」がかなりレゲエでイイセン行っているとしても、かなり下手なのは隠しようがありません。チャーリー・ワッツやビル・ワイマンをけなしているわけではないです。ジャマイカンの圧倒的説得力に比べての話です。そういった話を総合してもストーンズで最もテクニカルな盤であると思います。そしてブラック・ミュージックの進化に応じて常に自分たちをリニューアルするのが、彼らの強みです。
ただし、この盤を金科玉条のように論じてありがたがるプロ筋の人のコメントには賛成できません。それなら本体のアフリカ系音楽を聴くべきです。ストーンズという不器用で勤勉な音楽集団の成果ととらえています、わたしは。スティクスの「ピーセズ・オブ・エイト」がこのカバーのパロディであるのは周知の事実。2024.04.17
わたしにとってピンク・フロイド初体験となった盤であり、みなさんも大好きな盤。なので内容について書こうと思いません。A面もB面もたくさん、たくさん語られています。…で、カケレコさんの気になるキャプション「ブレックファスト・ティップス」について書こうと思います。
ドイツ語と英語で書かれた二つ折りのカードがついています。英語のほうは、伝統的なベドウィンの結婚式晩餐と題され、いわゆるレシピが載っています。この内容がすごいのです。まず必要な材料が
中ぐらいのラクダ 1頭
中ぐらいの北アフリカヤギ 1頭
春の子羊 1頭
大きめの鶏 1羽
卵
ガーリック たくさん
新鮮なコリアンダー たくさん
固ゆでした卵を鶏に詰め、鶏を子羊に詰め、子羊をヤギに詰め、ヤギをラクダに詰める、と。これをゆっくりローストして、晩餐にせえ、と言っているのです。こんな豪快な料理、聞いたことありますか。それに、このレシピとピンク・フロイドに何の関係があるのでしょうか。わたしは、このカードがCDケースから出てきた時、何かの間違いかと思っていました。カケレコさんのキャプションで、このカードは「仕様」だったのだと改めて思っているところです。
アランのサイケデリック・ブレックファストだから…ですか。わからんなあ、このカードの真意が。キャバクラの女の子に話題を振る時、ネタにしましたけど。2024.04.15
ほぼ10代でデビューした彼らもキャリアは、もうすぐ20年。結婚し、子どもも生まれているわけで、もう立派な南部のファミリーを形成していることでしょう。この盤の前に「ブラック・トゥ・ブルーズ」というEPがリリースされました。ブルーズ・スタンダードを彼らなりにカバーしたものです。次のロングプレイ盤を、ブルーズ大会になるんだろうと予想していたわたしは、半分裏切られました。相変わらずの爆音ロックだったからです。でも、それは心地よい裏切り。きちんとブルーズをやった成果は反映されているし、カントリーを軸とした聴かせる曲もあります。
電気ピアノのアルペジオから始まる「マイ・ラスト・ブレス」は、爆音でないブラック・ストーン・チェリーの新機軸です。ギターはスライド。これ、明るくて落ち着いていて、いいじゃないですか。続く「ダンシン・インザ・レイン」では、ウォーレン・ヘインズがコーラスで参加しています。ガバメント・ミュールとBSCは初共演になるんでしょうか。意外です。
ブリティッシュ・ハードはもはや、米国にしか生き残っていません。矛盾した言い方ですが、わたしはそう考えています。BSCの音を聴くと、ハードロックにも(グランジでない、メタルでない)やりようがあり、可能性がまだまだあることがわかります。2024.04.14
明らかに叩き過ぎのニール・パートに、明らかに声張り上げ過ぎのゲディ・リーです。おまけに8分にわたる「バイター・アンド・ザ・スノードッグ」があって、これがあるために、カナディアン・プログレの起原と言われてしまっています。しかし鍵盤なしに「プログレ」は、ないでしょう。わたしにはファーストの延長で、ツェッペリンに影響されたヘビーロックと聴こえます。80年代のラッシュを好きなかたも、この盤には首をかしげる向きがあるかも知れません。
彼らには不思議と汗の匂いがしません。欧州的な音と言っていいと思います。ヘビーロックにしては全部のパートがテクニカルです。ニール・パートの趣味は読書なんだそうです。だんだんこの傾向が激しくなっていき、彼は幻想的な物語を書くようになります。この盤では、まだ小手調べ。旧A面を推す人が多い中、わたしが好むのは旧B面です。「フライ・バイ・ナイト」は楽しいですし、「メイキング・メモリーズ」の、「ギャロウズ・ポール」みたいなアクースティック・ギターが好きです。
でもやっぱり…ゲディ・リーの歌い方なんですよね。もっと普通に歌ってくれんかな、と。聴いていても、こちらの肩に力が入って来て、どうにも落ち着きません。2024.04.13
ブレンズレー・シュバルツが、アル・ステュアートに帯同する現在のツアー後に解散する意向であることが明らかになった。NME本誌が今週つかんだ情報。バンドのベーシストであり、主要なコンポーザーであるニック・ロウが、ソロとしてのキャリアを望んでいることからと思われる。ロウ以外のメンバーが新たな形でバンドを継続するかは、現在不明。彼らは、進行中のアル・ステュアート・ツアー後に、解散前のギグを二度こなす予定としている。…というのが、当時の記事です。つまり、ブレンズレーを解散させたのは、ロウの脱退だったわけで、そのとばっちりで未発表に終わったレコードです。
わたしの所持しているのは88年DECAL盤です。カバーアートが違っているけれど同じなんだろうな…。「ウィ・カン・メス・アラウンド」は、ロウの「アボミナブル・ショウマン」で再演されています。この曲の出来に不満だったんでしょうねぇ。あとロウの代名詞「クルール・トゥ・ビー・カインド」も、このレコード収録です。泣きそうになるじゃないですか。ビートルズの「テル・ミー・ホワイ」や、ボビー・ウーマックの「イッツ・オール・オーバー・ナウ」は、少し力不足。ブレンズレーより、ニック・ロウの多重録音のほうが良い、というのがなんとも、です。
「クルール・トゥ・ビー・カインド」のベースラインの凄さに恐れ入りました。ロウは、改めてすごい人です。2024.04.12
ソロになっての3作め、5作めになります。「スイート・ハーモニー」は、別のページでレビューした記憶があるので、「オープン・ユア・アイズ」中心に書きます。3曲め「バーズ・フライ・サウス」は、印象的なハーモニカで始まります。これを吹いているのがスティービー・ワンダー。冬になると南に去る鳥について歌っていて、今の季節とちょうど逆。白鳥や雁は群れで移動するので、季節の変わり目を感じることができますけれど、南に飛んでいく鳥って、いつの間にかいなくなる印象です。
印象はフュージョンに近いセンスの良さを感じました。でも、そこはルーツ音楽に造詣の深いマルダー姐さんのこと。聞き流すようなAORにはならないのでした。姐さんの良さは、いわゆる「上手い」歌い手ということに止まりません。わたしは姐さんの良さを、揺らぎと裏返るところにあると思っています。声域が狭いことを逆手にとり、ファルセットと地声を自由に使うのが、妖艶といいますか、熟女といいますか。(熟女って差別言葉ですけど。)ちょっと独特のポジションにあるボーカリストで、聴いていただくしかありません。
「ダンシン・イン・ザ・ストリート」が、ジョン・ハイアットの書くR&R。妖艶だけではない、芯の強さを表現した曲です。彼女のベストは、ファースト、セカンドと言われます。わたしはどのCDを聴いても新鮮です。2024.04.11
67年から71年までのシングル集でございます。スティービー・ワンダーと言ったら、何といっても72年「ミュージック・オン・マイ・マインド」から76年「キー・オブ・ライフ」までの鬼神のごとき活躍です。無論これらの音楽は素晴らしい。そして自身の力をためていた時期、モータウンから自分のプロデュース権をむしり取るまでの時期の音楽も素晴らしいのです。わたしは子どもながらヒット・チャートでスティービーの名前を知っていました。このレコードは、知っている曲ばかり…と書きたいところです。でも残念ながらそれぞれの曲名は、このCDで勉強しました。
「ウイ・キャント・ワーク・イット・アウト」は、ポール・マッカートニーをして、この曲のカバーでベスト、と言わしめています。後年のスティービーとの共演は、この曲が伏線になっています。「マイ・シェリー・アモール」は、R&Bというより、欧州のお洒落な歌謡曲のようです。この時期スティービーは、曲づくりのほかに、多様な楽器の演奏もマスターして、一人でバンドに匹敵する音を出しています。そして歌うのも無論見事。天は二物以上のものを彼に与えたのでした。
音は過激でも、曲は丸くて呑み込みやすいです。レビュー未満の自分の筆力を呪います。2024.04.10
マディ・プライアの喉を聴かせる、というより、彼女の曲づくりの妙を聴かせる意図なのが明らかです。カケレコさんのレビューで「アリ・ババ」が紹介されています。これはテンポのよいロックンロールで、途中の中近東風演奏が笑わせます。ミスター・ビッグの「ザンビア」を思い出してしまいました。ほかに「イン・ファイティング」では覚えやすいコーラスを持つ、いわゆるポップ曲にチャレンジしています。トラッドの内側に閉じこもるつもりはないわ、というプライアの意思を感じてしまうのでした。
ギターがところどころで活躍します。ペダル・スティールのBJコールが起用されているのも珍しいです。ところでマディ・プライアの声は、アニー・ハズラムに似ていやしませんか。ルネサンスとバックの音が全然違うので、今まで気づきませんでした。
わたしはスティーライ・スパンもマディ・プライアもつまみ食い程度のユーザーなので、あまり踏み込んだことが書けません。舩曳将仁の紹介が理解の助けになりました。舩曳さん、ありがとうございます。2024.04.08
クイーンはライブ向きのバンドではありません。ジャムやインタープレイに特質があるわけではないし、優秀なソロ・プレイヤーがいるわけでもないです。音の積み上げと曲想の多彩さが彼らの強みで、これはスタジオ・ミュージシャンに向いた制作方針です。同じような作りこみをするバンドがボストンですが、ボストンのライブは実はすっかすかです。(だから未だ公式ライブがありません。)
イエスのように完璧なスタジオ録音の再現をするのでもなく、彼らはどうしてライブで支持を集めるバンドになれたのか。これはフレディのパフォーマンスとブライアンのギター中心にアレンジをつくり直しているからです。だからライブで、彼らはシンプルなロックンロールを演奏する体育系のバンドに変形します。逆に考えると個々の曲の基礎ができていなければ、この芸当は無理です。ビートルズの曲は誰が演奏したってビートルズだと言われます。クイーンにもビートルズに似た、曲の地力の強さがあります。さまざまなライブ音源が今ではあります。でも彼らが本当に輝いていた70年代の実況録音盤は別格だと思います。ほとんどオーバーダブもありません。丸ごとクイーンに向き合える時間は至福です。2024.04.07
エリック・クラプトンは変わった人で、十分ギターが上手いのに自分より偉大なギタリストを探し求めて「師」としてあがめて活動するところがあります。まず、ジミ・ヘンドリックス、次にデュエイン・オールマン、そしてJJケール。デラニー・アンド・ボニーのツアーに帯同していた、カール・レイドルほか腕利きのメンバー三人を引き抜き、デュエインまでおいで願ってバンドを作ってしまうのだから、この頃の彼は何かにすがらざるを得ないほど追いつめられていたのだと思います。(原因は不倫とジャック・ブルースでしょう。クリームでは大人と子どもぐらい意見が合わなかったでしょうから。)
このレコードの全部の曲が好きな人ってどれぐらいいらっしゃるでしょうか。全部の曲の出来がいいわけではないと思います。ただ、時々音楽の神が下りてきた、としか思えない曲をつくることがあります。この作品の前半部は、わたし実はあまり聞いていません。なんか、無理やりスワンプに逃げ込んでいるような気がするから。ところが、曲を聴き進むうち予定調和の南部世界は破たんしてくるのです。「テル・ザ・トゥルース」以降、どんどん切ない世界になっていきます。
「女を愛したことがあるかい?」と見栄をきったと思いきや、「リトル・ウイング」まで演ってしまう。この切迫感こそが「ロック」です。 もし、このレコードをこれから求めて聴こうとする方がいらっしゃるなら、休み休みしながら聴いてみてください。わたしの知り合いでも、これを「通し」で聞いている人はあまりいません。最後のつぶやきのような曲が、また物悲しくて、この曲が終わったときに、大きな空洞が心にできたような気がします。こんな構成は、情念の人、クラプトンでなくてはできません。2024.04.06
子どもの頃、ラッシュとマホガニー・ラッシュの区別がついていなかったのがわたしです。わたしの自戒を込めて、ですけど、「ハードロック・その他」に分類されてしまう哀しい存在です。どうしてかと言いますと、カナダ出身であることと、ハードロックとしてインパクトに欠けるところか、と。あと、ビッグネームに比べて時代がくだっていることも彼らにとっては不利でしょう。ポジションはナザレスに似ています(音は全然違いますよ)。インパクトと言いましたが、フランク・マリノの声もギターも優しすぎるんですよ。フュージョンとファンクを効かせた音は素晴らしいです。子どもにゃわかるまい、のロックです。
このレコードは、名作「ライブ」の直前のスタジオ録音でもあり、曲が抜群によろしい。ギターも独自の色を開拓した時期と思います。技量は最高。メロディに独自のセンスを持っていまして、とろけそうになります。「ドラゴンフライ」も「ジ・アンサー」も「IV」も良いですね〜。
北米のトリオ・バンドは、カクタス、グランド・ファンクみたいに爆音になるケースがほとんど。ラッシュもマホガニー・ラッシュも爆音で勝負する人たちではないのがお国柄なんでしょうか。いけない、またこんがらがってきました。2024.04.05
手術台の上で出会ったザ・ビートルズとザ・バンドです。もはやミシンとこうもり傘だったか、キツネとタヌキだったか出典は忘れてしまいましたが…。イアン・ゴム加入で湿度と切れの良さが加わりました。というより、ザ・バンドを好きすぎて真似っこしているうち、どこか吹っ切れたんでしょう。いわゆるブレンズレー・シュバルツってどんな音か、と訊かれたら、この盤を差し出すことが適切です。転調とコーラスとギターの揺れで泣きそうになります。これはわたしがザ・ビートルズを好きすぎるから。ドラムズに合わせたオルガンのフィルで泣きそうになります。これもわたしがザ・バンドを好きすぎるからです。
実際、ボブ・アンドリューズは、ガース・ハドスンを世界最高のオルガニストと崇拝し、自分は彼のように弾けないと、涙を流していたそうです。
美しい話だと思います。同じようにブレンズレーのギターは、ジョージ・ハリスンとロビー・ロバートスンを行ったり来たりしています。コピーが上手いだけじゃないか、と思われますか。ザ・ビートルズとザ・バンドですよ。英国の魂と米国の良心をまるっとひとつの音にしてしまったようなもの。大変なことです。スタイル・カウンシルの頃のポール・ウェラーが、この時期のブレンズレーを好きだったことも分かりました。いい盤でございます。2024.04.04
桜の季節になってまいりました。桜と陽気と雪解けは、人々を狂気に駆り立てるらしく、職場に持ち込まれる苦情、問い合わせが格段に増える時期であります。新入社員を研修と言うかたちで隔離するのは、理にかなっているのかも知れません。一方、古参の社員にとっては、退職者の穴埋めを現有勢力の頑張りだけで対応せざるをえず、非常にストレスが増える時期です。花見という行事を持っている会社さんを羨ましく思います。でも花見なんて職場でやっている事業者さんは、このご時世、危ないんじゃないでしょうか。それとも勝ち組なのか。
映画「アンダー・ザ・チェリー・ムーン」は見ていません。プリンスがチェリー・ボーイとは思えず、いやしかし、観念的にはチェリーだったのかな、とも思います。彼にとって音楽と同等以上の価値とアジテーションになったのがセックスであります。それも日本人には理解不能なかたちで。このレコード、ずばり密室での興奮とカタルシスがテーマであると思っております。ビートはファンクです。でも「パープル・レイン」「アラウンド・ザ・ワールド」の頃から比較し、極限まで音数を削って「静かに」仕上げた音が異様な迫力で迫ってきます。この時期のプリンスを、スライ・ストーンと関連付けた渋谷陽一氏の見立ては慧眼。スライの「ゼアズ・ライオット」に似た静かな空間が素敵です。2024.04.03
迅速な発送で期日どおりに届きました。丁寧な梱包で、傷や破損もなく手元に到着し、感謝しております。ところが肝心の商品が入っておりません。もうすぐわたしたち夫婦の25周年の結婚記念日で、三人の子どもたちとキャンドルでささやかなパーティーを企画しているのです。商品ではなく、薄っぺらい金属の円盤みたいなものが封入されていますが、何に使うものかわかりません。コースターにしては大きいようですし、中心に穴があいています。おそれいりますが商品のキャンドル5本セットを再送いただけないでしょうか。評価は星五つにしておきます。…こうしたレビューを「炎上」といいます。
「ユー・フール・ノー・ワン」や「ミスリーテッド」という曲の魅力に気づかなかったのがわたし、です。恥ずかしい。「ワッツ・ゴーイン・オン・ヒア」が、ヘンドリックスの「ハイウェイ・チャイル」であることも気づきませんでした。タイトル曲は、キャリーやフューリーの主人公のように、手にかざすと何でも燃やしてしまう超能力魔女を歌詞にしています。充実度ではパープル史上屈指。「イン・ロック」と同等のテンションです。ただ、ボーカリストがなぜか脱脂綿を口に入れて歌っているのです。歌っているうち唾液が口内にたまる難病なのでしょうか。評価は星五つにしておきます。2024.04.02
「朝日のあたる家」で有名なフリジッド・ピンクの72年サードは、英国アングラ・サイケと言って通用しそうな湿り気と激しさが魅力です。ケリー・グリーンに代わったジョン・ウェリングは、とり立った個性もない代わり、なかなかドラマティックないい喉を持っていると思います。初期ヒープを思わせるパーカッシブなオルガンが素晴らしいのが「ミス・イブル」。続く「セイラー」ではダルなブルーズと達者なギターに、おおっブリティッシュと声を上げたくなります。ストゥージズ、MC5、ボブ・シーガーのデトロイトから、これだけ湿度高いロックが生まれたのは不思議です。
英国のこの時代は、ネオンとかバーティゴとかカリスマとかハーベストとか…レーベルごとに個性があり、それなりにカタログが明らかになっています。対する米国はとにかく一発サイケのバンドが多く、手当たり次第に聴き続けるしかありません。中には、ううむと首を傾げるものも少なくありません。フリジッド・ピンクは、わたしの知る限り4枚出しています。同郷のフロストと同じようなキャリア。でもこれはサイケでは長寿命のほうなんですよ。長く味わい続ける魅力があると思います。2024.04.01
ジョン・アンダースンには内なる声とか衝動みたいなものはないんだろうな、と思います。テーマはトルストイの「戦争と平和」。「錯乱の扉」は、アウステルリッツの戦いに挑むロシア兵たちが主人公でしょう。よくこれだけ長大な小説を読んで、長大な曲を書けるもんです。しかし、メッセージもアジテーションもありません。イエスが高級イージー・リスニングと呼ばれる所以です。これがイエス史上ないぐらいのカッコよさだから困ってしまいます。スティーブ・ハウは、キーボード・パートを侵食する謎の音まで出していますし、スクワイアとアラン・ホワイトは極限に近いリズムを叩き出し続けます。テンションの極まった4人の現場に踏み込んだパトリック・モラーツは、こりゃ弱ったな、と当初思ったに違いありません。
ロシアは不思議な国で、戦争に負けることはあっても占領されることはないんです。寒くて広いからです。占領してもそれを守るのは大変、という。イエスも時代錯誤とそしられることはあっても、その陣地を他者に明け渡したことがありません。最も息の長いプログレ・バンドです。もはや後退していますけど。彼らのピークは、まさしくこの盤だと思います。たまに聴きだすと、♪チャッチャッチャー、ハウ、と歌ってしまうのでした。2024.03.31
ローマ神話の運命の三女神、クロートー、アケシス、アトロポスは、人の寿命を司ると言われ、糸を紡ぐ、その糸を測る、その糸を切る役割をそれぞれ与えられています。こう書くだけで、彼らに知的な匂いがぷんぷんしてきませんか。キング・クリムゾンは、2作を出した段階で、ロバート・フリップ対その他のメンバー(シンフィールドを除く)にブロークアップしてしまいました。ひとつの理由にスター性のないギタリストに飽き飽きしてしまった、ということが推測できます。同じようにキース・エマースンも、スター性のないナイスのメンバーに飽き飽きしていたと思います。ELPは、アートロックの第二段階として、「かっこいい」見てくれの実力者が集まったプロジェクトでした。
同時に彼らは、クラシックの素養あります。米国の通俗音楽に通じています。ジャズ・ドラマー目指しています。という集まりでもありました。この当時では無敵です。貧困層の聴くジャンルだったロックを、いっきょに中産階級、インテリのジャンルへと引き上げる効果がありました。
当時のライブ映像を見ると、三人の見てくれが同じで区別つきません。胸をはだけて、サテンの服を着て、若くて長髪で。クイーンのデビューした時のようです。このスター性とインテリらしさがELPの強みだったでしょう。さあ聴きなさい。このかっこいい音楽を。2024.03.30
大蛇とヒバリの舌。太陽と月。暴虐と抒情。作曲とインプロビゼーション。西洋音楽と西アフリカ。期してか、知らずか、異なる対局要素を結合させて止揚してしまおうという、大層な野心をはらんだ音です。ロバート・フリップは、よくクリムゾンを「装置」であるとコメントしております。ジェイミー・ミューアというヒッピーまがいのパーカッショニストを師匠に据える、とんでもない挑戦でもあります。フリップは、この制作以降、グルジエフの思想に傾倒していきます。ひとつには、創作を内なるものと考えず、肉体的なプラクティスと表現を共振させたり、偶然性の中に仮説を投げてみて成果を実験したり、という方法論に共感を感じたのだろうと思っています。
内容については、わたしよりみなさんがよく知っているはずです。そうでないとカケレコさんのユーザーではありません。問題は、この音の中に何を聴くか、です。単なるハードロックとして聴いたり、ウェットンの声にたそがれているようでは、核心にたどり着けません。わたしは、ボーカルのパートをユーザー・サービスと考えていて、インストのパートだけでいいような気がするんです。おそらくウェットンもブルフォードも、バンドが何をやっているのか、分らなかったと思うんです。少なくともこの段階では。
ところで「イージー・マネー」と「トーキング・ドラム」は、ライブ録音ではないでしょうか。2024.03.29
形式はハード・バップなのに、奇怪で攻撃的なアドリブが支配する音楽です。わたしは、このメロディにどうしても馴染めず、テーマの大団円でやっと安心する未熟なユーザー。なので、この「歴史的セッション」とされる録音を完全には楽しめないでいます。61年7月録音。ドルフィー(as,bcl)、ブッカー・リトル(tp)、マル・ウォルドロン(p)、リチャード・デイビズ(bs)、エド・ブラックウェル(ds)というラインアップです。ブッカー・リトルは、この録音のすぐ後に亡くなっています。
ファイブ・スポットは、67年までマンハッタンに存在したジャズ・カフェだそうです。オーネット・コールマンがLAからやって来てNYにデビューした場所でもあるそうで、耳の肥えたリスナーの集まる場所だったのでしょう。ドルフィーのソロ、リトルのソロのあと会場から拍手が沸いて、音楽家を応援する様子が聴き取れます。しかし、ドルフィーはこの後、米国市場に絶望しヨーロッパに渡ってしまうのです。
リトルの曲「ビー・バンプ」でのドルフィーのバスクラリネットが聴きものと思いました。リトルのトランペットと有機的なつながりを感じるユニゾン(ユニゾンしてないけど)が、所々で出てきます。バスクラが、コブラを立ち上がらせるときの笛に聴こえてしまう自分は、やっぱり未熟です。2024.03.28
あなたがハードロックを心の底から好きで、もしアクシズをご存知ないとしたら…。わたしは、あなたを羨ましく思います。なぜってこれから素晴らしい音に出会えるのだから。78年に出た、ということで、わたしは彼らのことを軽んじていました。フォリナー、ボストンの頃ですから二番煎じ、柳の下の二匹目だと思っておりました。ところが全然違う。英国らしい湿り気と、米国らしい溌溂さを併せ持つ大した大したバンドです。トリオのうち、二人はデリンジャーのメンバー。てっきりデリンジャー崩れと思い込んでおりましたら、リック・デリンジャーがアクシズの二人をスカウトした、というほうが事実のようです。
どの曲もいいです。「トレイン」というダルなミドルテンポ曲では、重量化したフリーのような音に両手が震えてきます。ルー・グラム出自のブラック・シープを初めて聴いたときのような感動です。ドラムズのビニー・アピスは、ご想像のとおりカーマインの弟。わたしは兄より全然好きなのでした。バスドラ1個で上から脳天を貫かれるようなビートですから。一枚きりに終わったのが残念。でもたぶん一枚だから、これだけの緊張を維持できたんでしょうね。
わたしの所持しているのはカナダ盤です。ROCK CANDY盤は音が良さそうで、それも羨ましいです。2024.03.27
スウェーデンのフュージョン・グループ、トリビュートの4作めであり、ラスト。ピエール・メルレンのほか何人かのコア・メンバーが、ワールド・ワイドな活動のために抜け、アンデション3人兄姉妹と、ギタリストだけの編成です。で、マイク・オールドフィールドのような土臭い懐かしい音になっています。3兄姉妹のウインド・アンサンブルの妙が楽しめるレコード。弦楽も効果的です。フュージョン中心の作風から、非常にケルト的な音楽に回帰しています。小粒ながら、心地よい音楽です。最後の「テラ・インコグニータ」は21分にわたる大組曲です。
小さいオーケストラ並みの管楽器、弦楽器奏者をゲストにして展開します。全曲を書いているのがギデオン・アンデションです。第二次大戦のイメージ、アフリカン・コーラスが象徴する未踏の土地、悲観的なピアノ協奏曲、というように曲は進んでいきます。展開は自然で、リスナーを教育するような意図はなさそうです。バイキングみたいな、海を渡る探検物語と解釈しました。
全体の曲調は冷ややかであり、明るいもので、北欧らしさを十分に感じることができます。ロック的な激しさ、野蛮さはありません。トリビュートのスタジオ録音3枚の中で、最も統一感があります。2024.03.27
サウザー、ヒルマン、フューレイともカントリー風味を得意とする人たちなので、アコギとコーラス大会になるかと思いきや、骨太のロックンロールを聴かせる名盤と思います。CSNYの二匹目のドジョウという言い方もされるプロジェクト。でもCSNYとの何よりの違いは、メンバーの対立や緊張感がないところ。クロズビーやニール・ヤングのように何を出してくるか判らないやりにくさはなかったはずです。サウザー、ヒルマン、フューレイともメロディを書く達人らしく、いい曲を持ってきています。
コーラスやアレンジが巧みなのは予想つきますけれど、意外にハードなギターが随所に出てきます。この三人に加えてマナサスのアル・パーキンスがいるので、いくらでも弾き倒せたと思います。マナサスと言えば、ポール・ハリスのハモンドも唸っていて躍動感を与えています。いつでも上手いジム・ゴードンと合わせてバックの興奮度はCSNYより上です。だから爽やかさだけでない躍動を感じるのですね。サウザー作の「ハートブレーカー」、ヒルマン作の「ライズ・アンド・フォール」は、カントリーとロックが融合した名曲です。ルーズで派手でとてもよろしい。アメリカっていいな、と思ってしまうカタルシスです。2024.03.25
「タトゥー」「ブルー・プリント」リリース後の、飛ぶ鳥を落とす勢いの時期です。演奏会場は、ベルファスト、コークとダブリン。ギャラガーは、北アイルランドと言ってもいい北部の生まれで、ベルファストでは熱狂的な歓迎だったんじゃないでしょうか。「クレイドル・ロック」から始まります。冷静なメンバーは誰もいません。4人が暴走する様子がただ録音されています。すさまじいスピードと音量です。頬が緩んできます。ギャラガーのステージを当時の映像で確認するかぎりですと、ほぼ演出らしい演出やステージ効果がないのです。メンバーが猛烈に演奏する様子を応援する、というシンプルで刺激的なスタイルです。
60年代の北アイルランドの情勢は、今と違ってとても危険なものでした。町中でいつテロがあってもおかしくない、という。72年に北アイルランドの独立運動が収束し、やっとこうしたライブが行われるようになった時期です。ギャラガーが故郷で縦断ツアーをやった背景はこのことと無関係ではないんだと思っています。ただし、ギャラガーは、アイルランド人の自決を支持する立場であったことに疑いがありません。
ロリー・ギャラガーの演奏はライブに尽きる、という声におおむね同意です。まずライブから彼に入るのは、いいかと思います。ライブの中でもこの「アイリッシュ・ツアー」が最高の部類。続いて「ステージ・ストラック」が好きです。2024.03.24
ドゥーリン・ダルトンは、18世紀に実在した西部ギャング団だそうです。正確にはビル・ドゥーリンが率いた強盗団「ワイルドバンチ」の別名です。ブッチ・キャシディは、それに倣って「ワイルドバンチ」という強盗団を名乗りました。彼らは法から逃れるため西部を逃げ回るわけですが、その過程で命を落とすメンバーもいて、イーグルズの面々は少なからず同情的であるようです。映画「俺たちに明日はない」でもそうですが、米国人は悪党集団を恐れつつ、彼らに人生を重ね合わせる傾向があるようです。自由というものに最も重い価値を置いている人たちだからでしょう。
彼らに珍しいハード・ロッキンな「アウト・オブ・コントロール」を含んでいます。…がしかし、全体の基調はバラードとカントリーです。名曲「デスペラード」にさえ不耐性なわたしは、少々退屈な印象を持っています。最初のテーマの「ドゥーリン・ダルトン」が何回か繰り返され、終わりに「デスペラード」のメロディと交錯します。そこらへんはドラマチックな効果を上げています。イーグルズのコアなユーザーからの支持は一番かも知れません。
制作にグリン・ジョーンズを仰いだせいか、ロンドン録音。それも彼らにしたら珍しいです。あまり悪口を書かないうちにレビューを終わらせましょう。2024.03.23
品薄だったボブ・ウェルチの4枚ボックスがカケレコさんに入荷していると思ったら、それぞれ単体で日本盤化されていましたか。もうボブ・ウェルチ氏没後10年だそうです。彼の仕事と言えば「フレンチ・キッス」ばかりが取り上げられます。わたしは、パリスの音に撃たれて以後撃たれっぱなしというユーザーです。AOR路線にひと区切りつけて、バンド路線(と言いつつ、固定メンバーではないです。)に戻ってきたのが、この79年・80年の2作です。難しい時期の制作なので若干混沌としています。
この2作の特長は、パリスの頃のボーカルの録り方が戻ってきているところかと。ポップというよりアバンギャルド。サックスや弦楽がひしめく中を、ウェルチの声が遠く聴こえるのが「マン・オーバーボード」です。「B666」なんて曲はプログレです。一方の「ジ・アザー・ワン」は、わたし傑作だと思うですよ。彼の声の魅力もありますが、なんと言いましてもウェルチと言えばソリッドなギターです。彼のソロ仕事のうち、もっともパリスの音に近いと思います。ただハードロックではないです。
ギター・オリエンテッドなシャンソンみたいな曲、テクノなファンクなどあります。こうした挑戦的な音のほうがウェルチに似合っていると思うんですよ。…マーケットには冷遇されました。わたしも当時買うことはなくて、申し訳なく思っている2作です。2024.03.22
ボブ・マーリーが現われた時、レゲエに全世界が熱狂したように、あるいは、ニルバーナが現われた時、突如グランジというスタイルを全米が欲したように…。英米のリスナーがブルーズ・ロックに熱狂したのは、そういうことではないのかと考えています。そうでないと、フリートウッド・マックやバターフィールド・ブルーズ・バンドという、初心者向きでない音に人気があったことの説明がつかない気がします。60年代のポピュラー音楽は、甘々の砂糖菓子ポップしかありませんでしたから。
この盤はマウンテンの試運転でしかありません。(なんか、わたし上手いことを言いましたか。)レズリー・ウエストの上手くない歌に、フェリックス・パパラルディがど・重いベースで色付けしている、ど・ブルーズ・ロックです。「ベイビー・アイム・ダウン」や「ドリームズ・オブ・ミルク・アンド・ハニー」は、のちにも残っていくレパートリーです。重さと苦味しかないような曲です。ハードロックの分りやすさもないです。これがウッドストックで受け入れられたのが不思議でしょうがないです。
想像できるのは、ブルーズという「レイス・ミュージック」を白人聴衆が聴く機会がなかったのだろう、ということです。この混沌とリアルさは何なのだ。そうした時代の雰囲気が濃厚に立ち込めています。2024.03.21
わたしのレビューは、ほとんど「種明かし」がテーマになっています。ネタに確信がある種明かしもあれば、妄想に近いものまで。タイトル、曲、歌詞、表紙などに込められた意図・意味を書いていくのがスタイルです。そんな言語野に偏ったわたしの聴き方をあざわらうかのように、言語化不可の優れた「音」を提供してくださるレコードです。70年と言えば、あらゆるバンドが音に意味を込めようとしていた時期です。ビーチボーイズのメッセージと言えば「アド・サム・ミュージック・トゥ・ユア・デイ」であります。あなたの人生に音が必要でしょ、という圧倒的優しい旋律とコーラスはわたしを幸せにします。だからくどくど書かなくたって彼らは素晴らしいのですよ。
ブライアン・ウイルスンの一馬力が引っ込み、メンバーそれぞれの個性と成長が現われている、と評されている盤です。「デードリ」の鼻セレブみたいな肌触り。「イッツ・アバウト・タイム」の燃えるロックンロール魂。「ティアーズ・イン・ザ・モーニング」のヨーロッパ的な切なさ。そして「フォーエバー」の説得力。この曲には泣けてきます。この盤が音楽主義すぎたせいか、70年のマーケットでは受け入れられていません。あなたの人生に音楽が必要なら、買って聴いてみてください。2024.03.20
完熟トマト、のタイトルは、演奏に自信のあるテイクを集めた、という意味だと思います。ほとんどの録音(特にローウェル・ジョージ在籍期)がカセット・テープの水準なので、音質には難があります。ライナーを書いているのはポール・バレール。彼自身もフィート全期にわたるライブ編集盤の制作を、象をひっかくようなものだと言っています。
Disc 1
1.Teenage Nervous Breakdown、2. Cold, Cold / Dixie Chicken、3. The Fan 72年ロングビーチ。ディキシー・チキンを演奏した最初のギグだったようです。ローウェルのギター、ボーカルは音質云々を越える魅力があります。3. The Fan は、相当ぶっ飛んでいる演奏。曲の行方を計算しているのはケニー・グラッドニーだけのような…。
4. Cat Fever、5. Texas Rose Cafe、6. Lafayette Railroad、7. Hamburger Midnight 71年ヒューストン。「RawTomatos」にも収録されていた日の記録で、リールからカセットに落とされて保存されていたようです。5. Texas Rose Cafeのアンサンブル部分が特に魔術的です。
8. Apolitical Blues、9. Tripe Face Boogie 78年6月のサクラメント。ローウェル・ジョージがフィートに帯同していた最後のツアーから。「ウェイティング・フォー・コロンブス」の収録に近いこの時期、確かにフィートの演奏はピークにあったと思います。
10. Down Below The Borderline 75年10月のロチェスター、フィートの音源コレクターから提供されたもの。この曲のライブ録音は珍しいのではないでしょうか。
11. That's Her, She's Mine 、12. Daily Grind 、13. Hangin' On To The Good Times 、14. Feelin's All Gone 、15. Silver Screen 、16. The Ingenue 90年5月セント・ルイス。クレイグ・フラー加入期の録音です。ラジオ放送用に録音されていたもので、単品のライブCDとして聴いてもいいほどのクオリティです。
Disc 2
1.The Ingenue 92年大晦日のワシントンDC。半分アコースティック、半分エレクトリックで行われたニュー・イヤー・ライブから。ビル・ペインのジャズ・ピアノから始まるアコースティックな12分。これはこれで大変ダイナミック。
2. Loved And Lied To、3. Texas Rose Cafe 92年4月サン・フアン。この頃のフィートは、アコースティック・セットで演奏することが多かったようです。3.のリード・ボーカルはサム・クレイトンでとても愛嬌があります。
4. Under The Radar レゲエのリズムです。ネイティブなジャマイカのグループに聞こえてしまうのだから、やっぱりフィートはすごい。
5. Cadillac Hotel、6. Ain't Had Enough Fun 95年10月レキシントン。これもショーン・マーフィーが歌うアコースティック・セット。
7. Vale Of Tears、8. Eden's Wall 98年6月デンヴァー。ボニー・レイットとの共演。
9. Voices On The Wind、10. This Land Is Your Land 98年11月レッドウェイ。
11. Blue Jean Blues 95年LA。重厚なホーンが加わっています。コンプの強いスライド・ギターはバレールだと思います。
12. I Got Happiness 98年6月LA。最後もスライド・ギターがうなるオールド・ブルーズです。
あえて意地悪に書こうと思います。メンバーのその後の身の振り方で、それぞれ自分勝手にやっていたんだ、というのが明らかになっているのがクリーム。ジャック・ブルースは、作曲おたくと言っていい人。自分の制作のために、常に新しいパートナーが必要でした。エリック・クラプトンは、いつも周囲に支えられないと活動を続けられない人。超絶な演奏を別にすれば、シーンに何のインパクトも与えられませんでした。ジンジャー・ベイカーにいたっては、ドラムズをバイト感覚で叩く実業家です。でもクリームは、結成時の志だけは高かったんです。
クリーム解散後の評価は、それは悲惨でした。ライブと即興を信条とするブルーズ・バンド、というのが一般的。FMで曲がまともにかかったことがありませんでした。曲が長いからです。クラプトン出身バンド、ということで、クラプトンの特集があると倉庫から出てくるのが唯一でした。しかしどうなんでしょう。コロシアムとマウンテンは、彼らの続編と言っていいバンドでしたし、ブラック・サバスもツェッペリンもジェスロ・タルも、クリームの影響下にあるとわたしは考えます。
内ジャケには墓場に各曲のタイトルが書かれて、ご丁寧にRIP(安らかに眠れ)と書かれています。もうこの音には飽きたんだ、と、そういう意味です。ロックで人生の苦みや将来の不安を表現することは可能(それも音で)と知らしめたのが彼らです。あまり聴く盤ではないです。でもクリームぐらいはひと揃え所持していてもバチは当たりません。2024.03.19
ピンク・フロイド初期、ブラック・サバス初期の魅力を併せ持つ、摩訶不思議なヘビー・ロックです。グループのプロフィールは、あまり明らかになっていません。英国のグループなのに、当初ドイツで活動していたらしく、独レーベルからの発売。(英国でこの作品が発売されたのは、75年のことです。)管楽器奏者がいるせいで、無国籍なサックスやフルートから静かに始まるパターンの曲が多いのです。あたかも映画のサントラのように。しかし、途中からファズ・ギターやリズム・セクションが加わってくると、一変、ジミヘンやカクタス級のヘビーな展開に。特にパッションあふれるボーカルは、このグループの魅力です。ブルース・ロックと言えなくもないですが、とにかく独自性を感じさせるグループですね。どの曲も緊張感があってよいです。Get on the Line はシングルとしてリリースされた曲。一度聴いたら震えるようなカッコよさを覚えると思います。英国のアングラ・ハードを聞く人に自信をもっておすすめ、です。
未熟なトマト、というタイトル通り、音質に難があるか、曲として未成熟、未完成だった時期のヴァージョンを集めています。ところが、よく知っている曲の初期のリズム違いなどが出てきて、フィートのコアなユーザーを喜ばせます。間違ってもこのタイトルを、フィートの最初のアルバムに選ぶ人はいないでしょうけれど、音源ファン向けの編集です。ローエル・ジョージ期の録音も当然少なくありません。
Disc 1
1. Crack In Your Door 、2. The Fan 、3. Trouble demo 71年のヒューストンでのライブ。音質は若干落ちますが、まごうことなきローエル・ジョージの声とギターです。この頃のベースはロイ・エストラーダ。わたしは「The Fan 」が大好きで、この曲が聴けるだけでも価値があります。ギターとキーボードが相当破壊的です。
4. Apolitical Blues 、5. Fat Man In A Bathtub demo 72年のロングビーチでのライブ。特徴あるローエルのスライド・ギターの音に近づいてきています。5.はカセット録音でしょう。まだまだこの曲の魔術的なグルーブは出来ていません。
6. Sailin' Shoes 73年4月のボストン。ボニー・レイットがコーラスで参加しています。カセット録音。
7. Teenage Nervous Breakdown 録音場所、年月不明のテープから。音も演奏も意外によいです。
8. Ass For Days おそらく74年か75年の録音とのこと。カセット録音。ヘビー・ブルーズです。
9. Gringo 78年10月のコロンバス。ビル・ペインのピアノ独演で、なかなか聞きごたえがあります。後半では、「Day at the Dog Race」のイントロ部分が出てきます。
10. Rocket In My Pocket 78年のシャーロッツヴィル。一聴して「ウェイティング・フォー・コロンバス」の演奏に近いことがわかります。同じツアーでしょう。
11. Long Distance Love 75年10月のロチェスター、フィートの音源コレクターから供出されたもの。女性歌手(アルバムと同じならヴァレリー・カーター)とローエルのデュエットです。
12. Long Time Till I Get Over You 、13. Changin' Luck 89年7月のロッテルダム。ここからのリード・ギタリストはクレイグ・フラー。録音はスタジアム・ロック風です。わたし、実はこの頃の堂々としたフィートの音も好きなんです。一歩間違うと安っぽいアメリカン・ポップになってしまうところを、粘りのある演奏で聞かせます。
14. Mojo Haiku 、15. Those Feat'll Steer You Wrong Sometimes 91年9月のワシントンDC。音質はいま一歩。14.はファンクで、ぐちゃぐちゃしたギター弾きまくりとハンマー・ビートが印象に残ります。
16. Strawberry Flats 、17. Six Feet Of Snow 92年大晦日のワシントンDC。アコースティック・セットでの演奏です。ニュー・イヤー・ライブで、半分アコースティック、半分エレクトリックで行われたとのことです。
18. Shake Me Up 91年10月のコスタ・メサ。ショーン・マーフィーがバッキングで参加しています。
19. Business As Usual 88年のフィラデルフィア。この曲あたりを聴くとサム・クレイトン、リッチー・ヘイワードの刻みがなかったら成り立たないバンドだったことが判ります。
Disc 2
1.Rock N' Roll Doctor 88年8月アトランタ。再結成後にかつてのフィートの曲を演奏する怖さをポール・バレルがライナーに書いています。アトランタの聴衆は、フィートがんばれ、というところだったのではないでしょうか。
2. Time Loves A Hero 88年7月ザ・リッツ。テッド・テンプルマンに捧げられています。
3. The Blues Don't Tell It All フリーの「ファイア・アンド・ウォーター」に似たロックンロール。未発表。録音年のクレジットなし。
4. Voodoo Jam 01年6月デンマーク。マイルス・デイヴィスを念頭に置いたジャムとのこと。トランペットはフレッド・タケット。
5. Honest Man 01年4月LA。ショーンがパワフルな声を聴かせるジャズ。
6. Blue Jean Blues 95年6月インディアナポリス。
7. Rocket In My Pocket 00年9月ロンドン。複数のギターを活かした、かなり凝ったアレンジになっています。
8. Old Folks Boogie、9. Rio Esperanza 00年6月ジャクソンヴィル。アコースティック・セットでの演奏。
10. Borderline Blues 95年11月ケルン。トラディショナルな雰囲気を持つ、ドラマチックなデュエット曲。
11. Let It Roll 95年レキシントン。Sonny Landrethがスライド・ギターで参加、名手です。
12. Missin' You 未発表曲。
きのう、この盤を聴きながら何をレビューしようかと考えているうち、寝落ちしてしまいました。リック・デリンジャーというギタリストの本質が何なのか、なかなか分かりやすい表現が思い浮かばなかったのです。経歴をここで書いても、全然伝わらないだろうし…。業界の裏方を務めることの多かったギタリストです。でも彼の出発点は、「ハングオン・スルーピー」という全米大ヒットから。不思議なことにデリンジャーは、ソロ活動に移行するまで数年を要しているんです。
一部ではジョニー・ウインターがブルーズからハードロックになってしまった原因と言われています。ジョニーやエドガーを表役に仕立てたのは、デリンジャーの功績。しかしウインター関連の最大のヒットである「フランケンシュタイン」と「ロックンロール・フーチークー」は、デリンジャーがいなかったら存在していません。わたしは彼のやりたかったことは「バンド」であり、そのフィクサーとしての居場所を愛していたんだろうと推測するのみです。
1曲めこそ、お茶らけたポップ曲です。2曲めからジャック・ダグラス制作らしい、乾いたハード曲が目白押しです。デリンジャーの最高の成果であると、わたしは思います。ビニー・アピスやケニー・アアロンスンを発掘したのも彼であります。2024.03.18
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