73年作。ナイジェリアはラゴスでの録音。現地のスタジオが、武装集団によるデモ・テープの盗難に見舞われたり。制作開始直前に、WINGSのオリジナル・メンバーが、PAULと反目しバンドを辞めてしまったりと、いくつもの大災難を乗り越えて生まれたアルバムでした。冒頭の大ヒット表題曲「BAND ON THE RUN」、肉厚なブラス・セッションが高鳴る熱いサウンドを引き立てる、「JET」、ミッドナイト・ブルー的瀟洒なバラード、「BLUE BIRD」、甘酸っぱいメロディーが、パワー・ポップ然とした「NO WORDS」、時を同じく73年に亡くなったピカソに捧げられた「PICASSO'S LAST WORDS」、1985年という(当時から見た)近未来をモチーフにしたラヴ・ソング「1985年(邦題)」等々、BEATLES解散後のPAULがようやく名実共に、新たな音楽の境地を開陳し出した代表作として、世の評価も大変高い作品です。
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ポール・マッカトニーのTOP10ソング-米音楽サイトULTIMATE CLASSIC ROCK発表
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帯【有】 解説【有】
盤質: | 無傷〜傷少なめ | 傷あり | 傷多め
状態: | 良好 | 並 | 不良 |
※ 盤に汚れあり
帯【有】 解説【有】
盤質: | 無傷〜傷少なめ | 傷あり | 傷多め
状態: | 良好 | 並 | 不良 |
※ ビニールソフトケースの圧痕あり
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「レット・ミー・ロール・イット」のアホなギターを聴くたび昇天する(3 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
「オール・トゥゲザー・ナウ」「ホワイ・ドントウィ・ドゥイ・インザ・ロード」「オブラディ・オブラダ」…ポール・マッカトニーのアホ路線な曲はまだまだあります。ジョン・レノンのアホ曲が諧謔と皮肉に満ちているのに対し、ポールのアホ曲は、まじに無意味でそれが素晴らしく良いという類稀なる才能を持つ人。バンドのメンバーに去られてしまい、ギターもドラムズも自分でやらなくならなきゃなりました。もう背水の陣。頭に血が上った挙句に出てきたのが全編ナンセンスに満ちたポールにしか作れない曲たち。「ジェット」なんてアホの極致です。ポールの解散後ソロ(またはウイングズ名義)が今いちだったのは、曲に意味を込めすぎたせいです。
英国グラム・ポップだけで40枚をレビューする、というチャレンジを続けてきて、グラムの本質がどうもポール・マッカートニーである気がしてきました。色んな盤を書いてきて、特質がどんどんポールの切り開いた領域につながってきている印象があるのです。マーク・ボランもイーノもニック・ロウも。ロックは楽しめればいい、という考えもあるでしょうが、まあそれは置いておいて。
しかし追い詰められてこれだけのものが出てくる、というのはまさしく天才。何も考えず、この音に身を委ねていれば極楽なのです。2021.10.11 追伸:CDカバーデザインがひどいので★をひとつ引きます。
ライブ定番曲と美しいバラード曲が収録されたウィングスの最高傑作(2 拍手)
yes_90125さん レビューをすべて見る
私がWINGSと聞いて最初に思いつくアルバムは「BAND ON THE RUN」と「VENUS AND MARS」です。
発売はこちらの方が早いので、本作ヒットの勢いを駆って作成されたのが「VENUS AND MARS」なのかもしれません。
本当にざっくり言ってしまうと、前半はロック調の力強いサウンドと緊迫感が魅力の曲が中心で、後半はポールらしい美しいメロディが印象的な曲が並ぶ構成になっています。
冒頭を飾るタイトル曲「BAND ON THE RUN」は次々と曲調が変わっていくアレンジが面白く、ホーンが活躍する「JET」は疾走感のある名曲だし、「LET ME ROLL IT」はシンプルな演奏ながら(だからこそ・・・)ポールのヴォーカルが活き活きとしています。
このあたりの曲はライブ定番曲で、特に「JET」は最初のメロディーが流れた途端にファンが総立ちになるくらいに盛り上がる!
アコースティック・ギターの演奏で歌われる「BLUE BIRD」や、ビートルズの曲を思わせる「NO WORDS」などのバラード曲も秀逸だし、「JET」のメロディが挿入される「PICASSO'S LAST WORDS」や、エンディングに「BAND ON THE RUN」のメロディが使われているラスト曲など、アルバムを通したトータル性も優れていると思います。
ボーナス・トラックは、イギリスで発売されたシングルとそのB面に収録された曲のようです。