FGBG4468(MUSEA) 【2008年発売CD】
これはフルート好きにはたまらん一枚ですな。「不思議の国のアリス」を題材にクラシカルな気品たっぷりの音世界が繰り広げられる、ロマン派ジャーマン・シンフォの傑作!
79年にリリースされた「Battlement」が、ジャーマン・シンフォニック・ロックの名盤として広く知られるグループの、幻のデビューアルバムが30年の時を経てリリース。2ndアルバムでは12弦ギターとしゃがれ声ボーカルによるGENESISの色濃いシンフォニック・ロックが印象的ですが、本作では2ndアルバムのボーカリストはまだ加入しておらず、ナレーションが入る他はオールインストとなっています。音楽的にも、そのお国柄を反映したファンタジックさとリリシズムは共通するも2ndアルバムで聴けるマイルドなシンフォニック・ロックとはやや異質であり、こちらはフルートのリードと、ダブルキーボードのきらびやかなアプローチで聴かせるロマン派ジャーマン・シンフォニック・ロックという趣。また、80年代に足を突っ込みかけていた2ndアルバムとは違い、より70年代的な音像で聴かせている点も大きなポイントでしょう。ファン必聴の素晴らしいコンセプトアルバムであり、2ndアルバムとあわせて霧深いジャーマン・プログレの隠れた名盤となっています。
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中古棚に眠っている名作を掘り起こして再びスポットを当てることを使命とするカケレコ中古棚探検隊!今回はジャーマン・シンフォを掘り起こします☆
『カケレコのロック探求日誌』一週間一気読み!〜「ジェネシスそっくりバンド大集合!」〜
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舩曳将仁の「世界のジャケ写から」 第七回 NEUSCHWANSTEIN『BATTLEMENT』(ドイツ)
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【ユーロロック周遊日記】初期GENESISフォロワーの決定盤!ジャーマン・シンフォ・グループNEUSCHWANSTEINの79年作『BATTLEMENT』
毎回ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。今回は、世界中に星の数ほど存在するGENESISフォロワーの中でも特に完成度/再現度の高い名作として語られてきた、ジャーマン・シンフォ・グループNEUSCHWANSTEINの当時としては唯一作『BATTLEMENT』をピックアップいたしましょう。
ジャーマン・シンフォニック・ロック特集 - プロテスタントの敬虔主義が息づくドイツならではのシンフォニック・ロック -
プロテスタントの敬虔主義をベースにして生まれた職人的ストイシズムと人間の感情にフォーカスしたロマン主義が息づくドイツで生まれた、器楽的に繊細でいてファンタスティックなリリシズムに溢れたジャーマン・シンフォニック・ロックを特集!
EXM026(EXPLORE RIGHTS MANAGEMENT)
デジタル・リマスター、ソーニャ・クリスティーナによる英語ナレーションへの差し替えが施された22年盤!
これはフルート好きにはたまらん一枚ですな。「不思議の国のアリス」を題材にクラシカルな気品たっぷりの音世界が繰り広げられる、ロマン派ジャーマン・シンフォの傑作!
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クローンではなく、きちんとフォロワーしてます(1 拍手)
Durangoさん レビューをすべて見る
不思議の国のアリスと言ったって、例によって聴いただけではそんなことわかりゃしません。でも今作のように音だけでもちゃんと楽しめるように作られていてこそ、この手の作品は成功していると言えるのでしょう。これやピクトルなんかと比べたら、正直スノーグースなどは原作のBGMのようにしか思えません。あれは私としてはどうも退屈なのです。
演奏の面で一番感心したのは、シンセサイザーが結構ブヨブヨと鳴っているにもかかわらず、さして下品にならずクラシカルでロマンティックな雰囲気が守られている点ですが、これこそGENESIS研究の賜物なのではないでしょうか。こういうスタイルやフレーズだけではなくセンス的な部分をきちんと学んで楽曲の質を高めようとする姿勢は◎。これが本来フォロワーのあり方だと思います。
本家GENESIS、同郷ANYONE'S DAUGHTERのような美しいメロディはあまりないけども、ロマンあふれるこれでこそジャーマンシンフォと言いたくなるような演奏は一聴の価値ありです。