「音楽歳時記」 第四十八回 1月13日 タバコの日 文・深民淳
音楽ライター/ディレクター深民淳によるコラム「音楽歳時記」。季節の移り変わりに合わせて作品をセレクト。毎月更新です。
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盤質: | 無傷〜傷少なめ | 傷あり | 傷多め
状態: | 良好 | 並 | 不良 |
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手を変え品を変え、クラシック・ロックの良さを再現してくれるバンド(2 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
アルバムのコンセプトは、10. Funny Little Tragedyを、70年代から80年代前半のガレージ・ロックの雰囲気にするため、エルヴィス・コステロにアドバイスを求めたことから、とか。コステロの好意で有用なアドバイスが得られただけでなく、彼のボーカルで録音することをミュールは思い立ったようです。同じく5. Scared to Liveについて、共同制作者の提案によりレゲエ・スタイルで演奏することとなり、トゥーツのボーカルでも収録。もともとはビートルズの雰囲気を狙ったそうですが。
ミュールは2枚で1作品と考えているようです。彼らはブルーズやクラシック・ロックに軸足を置くバンドでありながら、「ディープ・エンド」シリーズでは、様々なジャンルのベーシストと共演し、米国の(流行を追わないタイプの)ポピュラー音楽全般に関心を持っていることが明らかになりました。2枚目のコステロやスティーブ・ウインウッド、ドクター・ジョンが歌っているバージョンがオリジナルで、ミュールが1枚目でカバーしているかのような、不思議な感覚を与えます。
曲づくりは保守的なもので、聴いていて新しい感覚を覚えるものではありません。けれども、ミュールには新たなジャンルの創造を期待するより、古典的ロックの迫力、価値見直しを期待するユーザーがほとんどでしょう。充分楽しめる内容ですし、ミュールに興味を持ってこれから聴こうとしているユーザーにとって、羅針盤になるような作品です。