SECOND OF JULY

『チューブラー・ベルズ』のプロデュースで名高いトム・ニューマンによるサイケ・ポップ・グループ、唯一作リリース前のデモ音源集、全14曲

マイク・オールドフィールド『チューブラー・ベルズ』のプロデューサーとして有名な初期Virginレーベルを支えた奇才、トム・ニューマン率いるグループ。英サイケ・ポップの人気盤である68年リリースの唯一作レコーディング前の67年から68年の自宅録音デモ音源をまとめた編集盤。ロンドンのビクトリア調のアパートの一室で友人のPeter Cook（ギタリスト）と2人で録音されたようですが、これが思いのほか音が良くってびっくり。「My Clown」「Dandelion Seeds」など、収録曲の半分ほどは唯一作に収録されるナンバーのデモですが、かきむしられるアコギにファズ・ギターがからみつき、エコーたっぷりのヴォーカルが乗っかるサウンドは、60年代の宅録とは思えないクオリティです。混沌としたサウンドの唯一作に比べて、音はすっきりとしていてビート感が強く、サイケ・ポップとしてむしろ魅力的と言えるかも。これは、唯一作のファンはもちろん、唯一作を未聴なサイケ/ポップのファンにも聴いてもらいたいですし、ビートルズ度もあって、ビートルズの『ホワイト・アルバム』が好きな人にもオススメしたい好盤です。