SRMC6004(EMI) 【94年発売CD】
Vertigoのオルガン・ロック勢にも通じる叙情美やヘヴィネスに加え、スプーキー・トゥースあたりに通じるアーシー&メロウネスがあって、これぞブリティッシュな魅力に溢れてますね。一度見たら絶対忘れられないジャケットはヒプノシス!
オルガン奏者やブラス隊を含む8人編成のグループ。70年にHarvestレーベルよりリリースされたデビュー作。初期クリムゾンに通じるタイトでふくよかなドラム、タメの効いたメロウでキレもあるスリリングなギター、淡いトーンの荘厳なオルガンやブラスによるアンサンブル、そして、英国らしい陰影と気品を持ったジェントルなヴォーカル、憂いたっぷりのメロディ。Vertigoのオルガン・ロック勢にも通じる叙情美とヘヴィネスに加え、スプーキー・トゥースあたりに通じるアーシー&メロウネスがあるのが特徴で、全体的にくすんだサウンドはこれぞブリティッシュと言える魅力に溢れています。印象的なジャケットは、ヒプノシス。名作です。
COLUMN THE REFLECTION 第43回 ブラス・ロックの英国的展開 〜 気がつくと、どれも名だたるかつてのレア廃盤ばかり 〜 文・後藤秀樹
音楽ライター後藤秀樹氏による連載コラム「COLUMN THE REFLECTION」!ここまで米国のバンドにフォーカスしてきたブラス・ロック特集、今回は英国のブラス・ロック系グループ達をディープに探求!
7月13日はオカルト記念日♪オカルティックなジャケ大集合!
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そろそろ「プログレ」に分類して安心するのをやめませんか(0 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
名付けて「マイナーなバンドを聴くとすぐ『プログレ』に分類したがる病」。レーベルがハーベスト、主戦力はオルガン、ジャケットがヒプノシスと揃えば、この病気が発動する要素が十分だと言えます。牧歌的なメロディとボーカル、いなたい展開、過剰なブラス導入…わたしは「プログレでない」とジャッジしますよ。このバンドの楽器以外の特徴をあげると、過剰なばかりのドラマ性です。イタリアのバンドがよくやるような歌い上げる悲壮な(あるいは高揚する)展開があります。ボーカルがベルナルド・ランゼッティに似ているので、そう感じるのかも知れません。
さて、わたしが喝破したこのバンドの特性は、シカゴに対する英国からの返答です。メンバーが多くて管楽器専門職人がいることからのジャッジです。だからガリアードやロー・マテリアルに立ち位置として近いのではないでしょうか。「プログレ」ではなくて、ブラス導入アート・ロックであります。もっと言わせてもらえば、演奏ができる「歌謡曲」です。5曲目の「リアル・コールド・ワールド」は、アハッハッハーがクセになるのです。こういうの、わが国の70年代歌謡曲でよくありました。
主に舵取りしているのが、ガースとノーマンのワットロイ兄弟です。インド系の英国人だそうです。イアン・デューリーのブロックヘッズに関係しているとのことです。どうです。「プログレ」ではないでしょう。