HMPCD034(HUGO MONTES PRODUCTION(韓国)) 【2005年発売CD】
ちょっと下手っぴなボーカルと、ジョン・マークやトミー・エア、デイヴ・カズンズ等ベテラン勢による洗練されたアレンジがたまらないバランス。
英女性SSW、71年の唯一作。全て自作曲で、非常に素朴でじんわりと沁みる佳曲ぞろい。ギリアンの少し素人感のある澄んだピュア・ボイスに、ジョン・マークやデイヴ・カズンズの流麗なアコースティック・ギター、ロバート・カービーがアレンジした慎ましやかなストリングスがふわりとかぶさり、トミー・エアの洗練されたエレピがまぶされていく様子は、ただの女性SSWものとは一線を画す奥行きを感じられます。
1949年、北アイルランド、ベルファスト生まれです。
ベルファスト↓
荒涼とした港町であるベルファスト。ギリアンの涼やかなボーカルは、生まれ育った風土から来ているのかもしれません。
ギリアンは、ジャズやブルース、そしてアイルランドのトラッドに影響を受けて育ち、16歳で歌い始めました。
ベルファストのカフェやバーで活動し、その後ロンドンへ向かいます。
ロンドンで知り合ったペンタングルのDANNY THOMPSONにプロデュースをお願いし、マーキー・スタジオで今作は録音されました。
まずは一曲お聞きください。
♪I Am The Runner
ギリアンの透き通った声がいいですね!そしてこのちょっと素人くさい(失礼)ところが、妙に味わい深いです。
それにしても、バックで鳴るオルガンといいベースといい、凄く洒落ていますよね!
この曲でオルガンを弾いているのは、MARK-ALMONDやRIFF RAFFなどで活躍、JOE COCKERやGREG LAKE、GARY MOOREなどのバックを務め、英国ロックを支え続けたベテランキーボーディスト、TOMMY EYREです(↓)
ベースはCENTIPEDEやSOFT MACHINEなど英ジャズ・ロック界で活躍したROY BABBINGTON。
しかしアルバム全体を通して効いているのは、やはりTOMMY EYREのキーボードですね。
主張するのではなく、あくまでも控えめで上品なキーボードが曲中でアクセントのようにキラリと光っています。
♪Look What We’ve Got To Do
イントロのキーボードが、本当に美しいですね・・・
この曲には同じくMARK-ALMONDから、コンガでJON MARK、ヴィブラフォンでJOHNNY ALMONDが参加。
アルバムの他の曲では他にもストローブスのDAVE COUSINSがアコギを弾いていたり、ニック・ドレイクの作品への参加で有名なROBERT KIRBYがストリングスをアレンジしていたり。
上記のような洗練されたベテランのバック・ミュージシャンの演奏に、あんまり歌が上手くないけれど、ピュアさが何とも言えない魅力のギリアンの声がやや不安定に響く、そのぎりぎりの調和にぞくぞくさせられます。
そして、ジャジーなリズムが随所で感じられる今作は、ペンタングルのDANNY THOMPSONのプロデュースが大きな役割を果たしています。
ジャズや古楽、フォークやブルースなど、多彩な音楽性を持っていたペンタングルの彼だからこそ、ギリアンのアルバムがこんなにも豊穣なものになったのでしょう。
ERIC CLAPTON/461 OCEAN BOULEVARD
71年発表、ドラッグ中毒からの劇的なカムバック作!キャリアを代表するエネルギーとメロディに溢れる名作、ボブ・マ―リーのカバー「I Shot the Sheriff」収録
1,090円(税込1,199円)
MARIE CELESTE/AND THEN PERHAPS
71年にライヴ会場を中心に50枚限定で配られたという正真正銘の激レア作品、ずばり英国フォーク3美神に引けを取らない逸材!
1,990円(税込2,189円)
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72年発表、「英フォーク三種の神器」の一つ、ツイン・フィメール・ヴォーカルが美しいブリティッシュ・フォーク・ロックの傑作!
70年の唯一のアルバム、SANDY DENNYを想わせる凛としたMARIAN SEGALのヴォーカル、秋枯れのフィドル、英国叙情を醸し出す弦楽器&ハープシコードが絶妙に絡んだ美しすぎる英国フォーク
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ex.FAIRPORT CONVENTION、ツェッペリン4th収録「限りなき戦い」への参加でも知られる女性シンガー、71年ソロ1st
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ソクサイさん レビューをすべて見る
この作品は雑誌やガイド本に英国トラッド・フォーク・ロックのひとつとして何回か紹介されていたジリアン・マクファーソンの唯一の作品。
気になった点はバックに参加したミュージシャン達でギターにジョン・マーク、サックスはジョニー・アーモンド、キーボードはトミー・アイアー、といった俺の好きなマーク=アーモンドやリフ・ラフの面々。
そしておまけにベースはニュークリアスのロイ・バビントンときたもんだ。
この布陣じゃ悪いはずがなかろうて!
しかし、その期待は見事に裏切られた。マクファーソンの殆どの楽曲は誠に中途半端。
メロディが何か煮え切らないし、いつサビに入るのか期待の内に曲は終わってしまう。
肝心のセンター・フォワードがこれじゃあ〜なぁ〜!
彼女は英国トラッドを継承したり、独自に解釈して昇華するタイプのシンガーではなく、 その歌詞やタイトル等から、英国トラッド・フォークとはあまり関係ないもっとポピュラーなS.S.W.だと思う。
歌い方に気の強さが出たり、叙情性も殆ど感じられず、あまり歌は上手くない。
しかし、最終のアルバム表題曲はやっとまともなチューンだし、他にもジャジーなイントロで初期ジョニ・ミッチェルを彷彿させる曲やアーモンドのメローなサックスをフィーチュアした気の効いた曲もあって、脇を固める連中が下手糞なFWに絶妙なセンタリングが何本かあげているのだ。
あとはFWがゴールを決めるだけだが、何度打っても枠にさえ飛ばない藤本淳吾のシュートの様だ。