HCD17589(HUNGAROTON) 【92年発売CD】
オープニングから様式美ツイン・リードがキてます。線の細いハイ・トーンによるリリシズム、東欧らしいソリーナの響き。そして、またツイン・リード!ドラマティック・・・。
ハンガリーのプログレ・ハード・グループ。79年作の3rd。1曲目からツイン・ギターによるメロディアスかつスリリングなリードが炸裂し、リズム隊は前のめりに疾走!そしてハイ・トーンのヴォーカルがシャウト!2曲目は、これぞPIRAMISの魅力である叙情性が素晴らしいバラード。ひんやりしたトーンのシンセがメロディを柔らかく包みます。3曲目以降も、NWOBHM的な疾走感と東欧プログレの陰りが詰まった佳曲がいっぱい。1st、2ndが名作として有名ですが、本作も負けず劣らずの好作品です!
スタッフが様々なテーマに沿ってオススメ作品を取り上げ、世界のロックをカケハしていく「日々是ロック」。今回のテーマは『プログレ・ハード』!
左右に配された2本のギターが時に美しくハモリ、時にお互いのリードをぶつけ合う。世界各国に生まれたツイン・リード・ギターの作品を定番からニッチ盤までピックアップ!
【タイトル追加】イエスが好きな人におすすめ!世界のファンタスティック・プログレ特集☆
イエス『危機』を出発点に、テンションいっぱいのアンサンブルとファンタスティックなメロディ&コーラスが素晴らしいプログレを世界中からピックアップ!
荘厳でいてスリリングなドラマティックな作品の宝庫。東欧のプログレ大国ハンガリーの名品を特集!
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まさに辺境! 愛すべき東欧の「ガラパゴスウミガメ」たち(8 拍手)
kobakunさん レビューをすべて見る
ついに出ました!! ハンガリーに強いカケハシ・レコードの面目躍如。まさか3rdまで入荷するとは。期待どおりです。1曲目からテンション高いです。おまけに声まで高くなったような。まるでファイアー・ボールの頃のパープルです。2曲目は物悲しいバラード。シンセやエレピの音色の美しさ。ステキです。3曲目、ファンキーなプログレ・ハード。声高すぎで血管切れそうです。気合入ってます。
1stのレビューでも書きましたが、このバンドの特徴は、東欧的なちょっぴり陰りのある美旋律。それに乗せて唄われるハンガリー語の持つ独特の雰囲気は異国情緒満点です。これだけでも辺境プログレ・ファンは満足ですが、それに加えての様式美に彩られた楽曲の良さ。スピーディーな曲から泣きのバラードまで。シンセもブヨンブヨンしていて、70年代マニアなら小躍りして喜びそうな出来栄えです。作品が出た79年といえば、パンク、ニューウェーヴ台頭期。バンドにはまだ波が押し寄せていなかったのか、それともあくまで純潔を守り通したのか、よくぞ耐えたものです。同じハンガリーのomegaはこの頃からニューウェーヴ、テクノ路線をひた走っていましたから。わが国では現在、世界基準から取り残された携帯電話やパソコン市場などのいわゆる「ガラパゴス化」が問題になっていますが、こちらは世界基準などくそくらえ! まさに「東欧的ガラパゴス化」の成功例。愛すべき時代遅れのウミガメたちに拍手です。
完成度からいえば、たぶん1st、2ndの方が上でしょうが、どちらか聴けば、早晩、全部揃えたくなること請け合いです。ハンガリー物はカケハシさんが頑張っていますが、市場から姿を消す前にお早めのゲットを!