JAMES BURTON/GUITAR SOUND OF JAMES BURTON
ライ・クーダー、リチャード・トンプソン、ロリー・ギャラガーらに影響を与えたテレキャスの名手、71年作
690円(税込759円)
<ロック黄金時代回想企画>1969年デビュー・アルバム特集Vol.6 ー CROSBY STILLS & NASH『CROSBY STILLS & NASH』
1969年からちょうど50年を記念して、70年代を代表する名バンドによる69年リリースのデビュー作をピックアップ。第六弾は、5月にリリースされたクロスビー・スティルス&ナッシュの1st『CROSBY STILLS&NASH』!
盤質: | 無傷〜傷少なめ | 傷あり | 傷多め
状態: | 良好 | 並 | 不良 |
※ ケースツメ跡あり、カビあり、黄ばみあり
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下積みの長かったスティルスの復讐作(2 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
ひとり弾き語りの最終曲21.Blues Man を聴けば、スティルスにカントリー・ブルーズのフィーリングがあったことは明らか。でも彼はブルーズ一色に染めることをせず、カントリー、カリブ海音楽をつき混ぜた独自の音楽を突き詰めることを選んだわけです。ルーツ音楽のコピーというより、スティルスの人生遍歴を結晶にしたような音楽で、フォークに引っ張られていたCSNYとはかなり趣が異なります。スティルスはロック魂を持った人でありながら、音の敷居を低くする天才です。本来アバンギャルドな音を好む人の気がしますが、軽やかに聴けてしまうのがこの大作の良さであり、弱点なんでしょう。
いくつかのピークはありますが、デレク&ザ・ドミノズの「レイラ」のようなキラー・チューンを持ちません。ブルーズ丸出しの3.Jet Set (Sigh) までがひとつのピーク、カントリーでは8.Colorado がピークになると思います。そしてこの大人数編成の凄みを出してくるのが19.Right Now と20.The Treasure になります。ジャムにもアドリブ合戦にもならず、アンサンブルでカタルシスを感じさせるのがスティルスのいいところです。だから終始緊張感があって、だれることがありません。ただほかのかたも指摘しているとおり、ボーカルの録音が弱い気がします。ギターとアレンジだけの人ではないんですけれど。
いずれにしろ、スティーブン・スティルスの個性を知るためには(ソロファーストと並んで)必須の作です。わたしはこのアルバムを聴くと、CSNYのよい部分のほとんどが彼の手によっていたことを思い知らされます。