HIGH AND MIGHTY

ブルーズ・ロック好きのかたに、ぜひ一枚（2 拍手）

たすけさん レビューをすべて見る

現在のブルーズ・ロック・シーンで落とせないのが、デレク・トラックスとガバメント・ミュールです。あまりにも出てくるCDが多いので、最近ついていけてません。近年はスタジオ録音よりジャム形式のライブが多くて、これについていったら可処分所得が全部なくなるな、と。

ギターのウォーレン・ヘインズは、落ち目のオールマン・ブラザーズを立て直した男で、95年に盟友のアレン・ウッディと共にこのプロジェクト・バンドを立ち上げました。しかし5年後にアレン・ウッディは亡くなってしまいます。彼の担当がベースだったことで、バンドは混迷の時代を迎えます。しばらくはベーシストを他のバンドから借りる形でセッションを続けていきます。この「ハイ・アンド・マイティ」は、新しいベーシストを迎えての心機一転スタジオ作になります。彼らがヘンドリックスからピンク・フロイド、レゲエやジャズまで演奏することは知っていて、それもまた良いです。しかし肝心のブルーズ・ロックの新作は貴重でした。

内容に申すことはありません。彼らならではのエナジーとヘビーネスが聴ける、現代的なロックです。年寄りがハードロックを聴く後ろめたさは感じません。十分熟成され、しかも老成していない。これが特長です。でもベーシストは定着しませんでした。これ以後、またセッション・バンドに戻っていくのです。2024.01.30