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テクニカルでないが、粒立ちのあるいいギターを弾くのがフィル・ミラー(3 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
ジャズともロックとも違うフレーバーを持った、カンタベリー人脈でしかなしえない魅力を持った傑作です。カバーに、エルトン・ディーン、ヒュー・ホッパー、ピート・レマー、ピプ・パイルとクレジットが印刷されていて、カンタベリー最良の音楽がここにあると宣言されているようです。1曲目から、涼し気で人懐こいアンサンブルに耳を奪われ、最後まで聞き入ってしまうと思います。
ソフト・マシーンの超絶サーカスのようなやり取りとも若干違います。基本は、アンサンブルでどれだけカタルシスを与えられるかにあるようで、エルトン・ディーンのサックスもエキセントリックではありません。ヒュー・ホッパーのぶりぶりしたベースも控えめです。85年の録音です。あまり売ることにこだわっていないような、聴きたい人だけ受け入れてくれればいいや、という演奏です。
中間にデイブ・スチュワート色が前面に出ている演奏2曲をはさみます。スチュワート・ガスキンがテクニカルになったら、という印象。アレンジでは只者でないスチュワート。ほとんど打ち込みのリズムで、ミラーとのデュオ体制なのに強い印象を残します。