「月」をテーマに、様々なアルバムをピックアップいたしました。
芸術家や作家が集まる最先端文化の発信地ニューヨークで誕生したNYパンクのルーツとその魅力に迫る「NYパンク・ロック特集」
芸術家や作家が集まる最先端文化の発信地ニューヨークで誕生したNYパンクのルーツとその魅力に迫る「NYパンク・ロック特集」
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ギター音の復権(2 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
パンクとは思わない方が入りやすいです。英国80年代。バンドで言うと、キュア、フェルト、エコー&ザ・バニーメン、コクトー・ツインズと地続きの音で、ギター2本の透明な切れ味と、トム・バーラインの個性的なボーカルが特色です。先述の英国ニュー・ウェーブは、無論テレビジョンの音に大きな影響を受けたんですね。
有名な「マーキー・ムーン」は、レゲエ・ビートの上を、高揚感なく淡々と進む長大曲です。パンクと違うと書きましたが、70年代とは断層あるかのように異端な音です。彼らはドアーズに大きな尊敬を払っていたようです。乾いたドアーズが、オルガンでなく狂おしいギターに彩られている、という表現でいかがでしょうか。あと「ガイディング・ライト」のギターが好きで、好きで…。ディストーションを排して、ギター本来の透明感をたたえた演奏でございます。綺麗な綺麗なトーンに癒されます。「トーン・カーテン」も最後を飾るにふさわしい、ドラマチック曲です。いい曲ばっかり。
残念なのが、ドラマーのヘタさ加減。小細工するとばたつくのが愛嬌でしょうか。それぞれの楽器の分離がいいのも、このレコードの特徴でしょう。2023.12.09