HTDCD7(HTD)
あの『グレイとピンクの地』から20年以上たっていますが、少しも変わらぬジェントルで温かな歌声が感涙ものです。フュージョン・タッチのリラックスした演奏もまたいいなぁ。
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常にハーフウェイを狙う(5 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
相変わらず人懐こい、と言うか人を食ったメロディとコード進行です。キャラバン・ファンなら狂喜のリチャード・シンクレアのプロジェクト。ここをロバート・ワイアットが歌っていたりしたら緊張しますが、シンクレアですといつの間にか懐に入ってきていて、何やら騙されたようです。92年リリースということで、少し構えましたら、構える必要なんてありませんでした。ドラムズをアンディ・ウォードがやっているのも人懐こい。シンクレアとウォードは気が合ったんでしょうねぇ。くせもののリズム・セクションと言えそうです。
8曲め「フェラフェル・シャッフル」からライブです。こちらで活躍するのが管楽器を担当するジミー・ヘイスティングズです。シンクレアが表にも出てきてギターレスであることを感じさせません。パッセージとスケールがジャズ、ビートがロックというスピード感ある演奏です。わたしは演奏に重心を置いたこちらのほうが楽しめました。
カンタベリーをわたしなりに解釈すると、マイルス・デイビズに衝撃受けたけれど、完全にそっちへ行っちゃうのは気が引ける、という積極的中途半端カテゴリーです。学生たちの音楽で、とうとう学生っぽさが抜けませんでした。天国と大地のハーフウェイという曲が演奏されています。常にハーフウェイが彼ら一団の信条かも知れません。2023.02.21