68年作、ロック、ポップス、ブルース、フォーク、クラシック、前衛音楽、インド音楽、これらすべてを呑み込み、抜群の音楽センスで咀嚼、異なるジャンルがぶつかり合う化学反応をそのままに詰め込んだ、才気みなぎる大傑作。
2,490円(税込2,739円)
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カンタベリーの至宝セッション(2 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
このCDは、珍しいと思いますよ。なかなか現物にお目にかかれませんでしたから。フィル・ミラーの「カッティング・ボス・ウェイズ」に続くリーダー作です。曲のクレジットを見ると、イン・カフーツ演奏のものと、デイブ・スチュワート、ガスキンとミラーの共演のものにかっちり分かれています。イン・カフーツの演奏は、ジャズ志向ですし、スチュワート共演のものは、ジャズ化したスチュワート・ガスキンという趣があります。
「カッティング」に比べると若干地味かもしれません。しかし、クールに即興を繰り広げる音がとてつもなく恰好いいレコードです。うれしいことに3曲目「ダダ・ソウル」では、リチャード・シンクレアが歌ってくれています。キャラバンのファンでしたら、この曲だけでも小躍りしたくなります。また、エルトン・ディーンが当然のごとくソロをとっていて、ソフト・マシーンのファンからしても落とせないのではないかと思います。
フィル・ミラーのギターは、テクニックとしてはそこそこかも知れませんが、音色に特徴があります。「ブリブリ」している、という表現を聞いたことがあります。粒立ちのはっきりした個性的なギターであります。この時期のピプ・パイルの「セブン・イヤー・イッチ」と合わせて大事にしているCDです。カケレコさんのカタログで見かけてちょっと驚いています。