グレイテスト・ヒッツ

ガール・ポップの最高峰（1 拍手）

たすけさん レビューをすべて見る

まさにモータウン黄金期の音で、ヒット・パレードで育った自分の少年時代を思い出させてくれます。自作曲を自分で演奏するもんだ、という先入観の対極にありながら、この音は永遠なのだろうな、と肯定感に包まれてしまうのがR&B黄金期です。ダイアナ・ロスが、舌足らずなコケティッシュで勝負していたのと真逆のアプローチがマーサ・リーブズ。実に真っ直ぐなソウル王道の歌い方で「ダンシング・イン・ザ・ストリート」であります。

彼女がモータウンに秘書として入社したことは有名です。ブッキングしていたコーラス・ガールに急遽キャンセルをくらって、代役を務めたことがシンガーへのきっかけだったとあります。バックならまだしも、フロントを張るまで抜擢されたのだから、すごい頑張り屋さんだったんでしょう。シュープリームスが天賦の才としたら、マーサ・リーブズは努力型とも言えて、好感を抱く所以です。

シングル有名曲は全部入っています。70年代までカバーする選曲で、徐々にファンキーになっていく様子がわかるでしょう。バックの音はシュープリームスと同じ。作曲もホランド・ドジャー・ホランド。ダイアナ・ロスとマーサの歌をぜひ比べてみてください。