MarillionやPendragonなど、ブリティッシュネオプログレの影響を色濃く受けながら、今やそれらのバンドと肩を並べるまでの存在となったポーランド産ネオプログレグループSATELLITEの09年作。これまでの彼らのディスコグラフィーから、そのクオリティーは保証済みですが、本作もネオプログレの最大の魅力と言えるダイナミズムに溢れたドラマチックな展開が映える素晴らしい出来となっており、東欧トップバンドとしての貫禄を感じさせる傑作と言えるでしょう。メロウに気だるくソロを取りながらも分厚く響くギターと、空間を広く動くシンフォニックなキーボード、そして無駄のない洗練されたメロディーラインを切々と歌い上げるボーカルによる極上の音世界はやはり素晴らしいもの。また、その楽曲の展開は非常に緩急に恵まれており、へヴィーなギターワークが攻めるパートと、ふくよかなキーボードサウンドに包まれながら東欧らしい冷ややかな内省感を漂わせるパートとの押し引きのコントラストが素晴らしく、ブリティッシュ系ネオプログレとはまた違ったエキゾチックな質感を宿した強力作となっています。東欧ファンは無視できない1枚。
帯【無】 解説【有】
盤質: | 無傷〜傷少なめ | 傷あり | 傷多め
状態: | 良好 | 並 | 不良 |
※ 帯無、軽微な折れあり
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疾走する軽やかな技巧のせめぎあいが心地好い!(0 拍手)
hukuroさん レビューをすべて見る
コラージュから分裂統合を経て新たに活動を開始し上昇気流に乗ってるサテライトだが同メンバーが中心の割には曲想も演奏形態もグッとモダンに成って全く別物のメロディアスシンフォニックに良い意味で変貌した!
リズムセクションで一部打ち込みシンセを使用してるみたいだが全てに音像がクリアでレンジも広い録音の上に非常に高価なシーケンサーを導入していると見えて驚くばかりの絢爛華麗なスパイスをメロディーラインに絡ませ楽曲を引き立たせている。
インストのバランスも絶妙で長めの間奏はそれ自体独立した曲構成に感じ緩急自在の変化と洗練された演奏力に思わず聴き込んでしまう。
サテライトで出したアルバムの何れもが甲乙付け難くオリジナリティーを持ち、どれもベストに思えるほどシンフォニックお宅には大好物の泣きと盛り上がり、押しと引きの緩急はラストまで中弛みする事無く一気に聴かせて絶対外れ無しのクオリティを堅持している。
取り分け此のアルバムはコラージュ時代の叙情性も残しながらシャープで歯切れの良い今風の作りの楽曲なので世代を問わず魅了してくれる事だろう。