帯【無】 解説【有】
盤質: | 無傷〜傷少なめ | 傷あり | 傷多め
状態: | 良好 | 並 | 不良 |
※ 帯無、盤中央部に汚れあり、若干CDの圧痕あり
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「キリング・ミー・ソフトリー」を知らない人はいない(3 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
天は二物を与えた例です。おそらく「キリング・ミー・ソフトリー」の知名度は、「ハウンド・ドッグ」や「マイ・ウェイ」に匹敵するのではないでしょうか。洋楽を知らない人が知っている洋楽、という意味で。あまりに有名なので、ロバータ・フラックが歌っているという事実を知らない人までいます。前年に全米NO.1シングルを出し、グラミー・アワードを獲得、ダニー・ハサウェイとのデュエット作も成功させています。73年のこのレコードでもグラミー。こんな歌手はほかにいません。彼女は大学を3年で卒業したという才媛でもあります。ハサウェイとは大学の学友なのでした。
彼女が最初に接したジャンルがジャズであるせいで、抑制されたアレンジと歌い方です。いわゆるR&Bの「濃さ」はなく、聴きやすく耳にすっと入ってきます。
「レース・ミュージック」という言葉をご存知ですか。ゴスペル、ブルーズ、ジャズ、ロックンロールなどアフリカ系米国人の演奏するジャンルをさす言葉です。先ごろ公開された映画「エルビス」でも、レース・ミュージックを演奏する白人、とプレスリーが呼ばれていました。多分に侮ったニュアンスの言葉です。ロバータのこのレコードあたりから、R&Bがレース・ミュージック村では収まらなくなりました。白人だろうが、東洋人だろうが一般的に聴くジャンルになったからです。ロバータは屈託なく歌っているように聴こえます。(実際は、わかりません。)声を張り上げず、たんたんと歌われる「スザンヌ」は絶品です。2022.07.15