ロシアらしいエレガンスを味わいたいならこの新鋭。ELP直系のテクニカルなキーボードプレイから迫力満点のブラス・セクション、アヴァンギャルド展開などを典雅なサウンドでまとめ上げた名品です。
ロシアはサンクトペテルブルク出身のKEY奏者によるシンフォ・プロジェクト・バンド12年作。ピアノ、アコギ、ヴァイオリン他様々な管弦によって展開されるロシアらしいエレガンスに満ちた典雅なアンサンブルを基調としながらも、そこにELP的なスピーディなキーボードや、アヴァンギャルドな音の掛け合い、ブラス・ロック並みのド迫力な管楽器が押し寄せる展開など、多種多様なアイディアが出入りする奇想天外な曲展開が何とも素敵です。各楽器のユーモラスさと美しさの均整が取れた音使いがまた素晴らしく、シンフォニックであり、古楽的であり、またアヴァンギャルドでありながらも、これはまさにプログレ以外の何物でもないと言うべき音楽に仕上がっています。これだけ多彩な曲想をシンフォニック・ロックという文脈の中で見事にまとめ上げる手腕は、かなりの才能を持った人物で有ることを覗わせます。力作です。
90年代以降にプログレ新鋭シーンが盛り上がり、00年代に入っても注目の作品が続々とリリースされています。その勢い衰えず、次々と優れたプログレ新譜が届く2015年。入荷した注目作をピックアップいたしましょう。
LITTLE TRAGEDIESとLOST WORLDを双頭に、豊かなクラシック音楽の土壌に根ざしたダイナミックかつ格調高いプログレ・グループが続々と登場しているロシアのプログレ新鋭シーンを特集!
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