それぞれがキーボード、ギターを担当するHADDAD兄弟によるユニット・バンドHADDADの09年作。その内容はハードな演奏を得意とするギターとシンフォニックに重なりあうシンセ・ワークを聴かせるキーボードが一体となって繰り広げられる、クラシカルな表現を随所に交えたシンフォニック・ロック。いかにもプログレという演奏を披露するシンセに対して、ピアノ演奏は正調クラシカルなもので、リリシズム溢れるフルート、エモーショナルなギターと相まってロマンティックな世界観が匂い立ってきます。その演奏に見事にマッチするロマンたっぷりの歌唱を聴かせるヴォーカル、優雅なコーラス・ワークも特筆で、プログレッシヴな演奏とクラシカル・ロック調のヴォーカル・パートを巧みに組み合わせた見事な音楽性を披露してくれます。2枚組の長丁場ながら、最後までロマンに満ち溢れた世界観を堪能できるクラシカル・シンフォの傑作に仕上がっています。
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