ECLEC2289(ESOTERIC) 【2011年発売CD】
デジタル・リマスター、ボーナス・トラック5曲。
GRAHAM BOND、CREAM、SOFT MACHINEを渡り歩いた、名うてのベーシスト…。実はスコットランドの音楽アカデミーで作曲を学んでいた、あの男の実力とは!?
GRAHAM BOND、CREAM、SOFT MACHINEを渡り歩いた、名うてのベーシストによる74年4th作がこちら。冒頭曲の静かなオルガン・パートと躍動するロック・バンドによるパートの対比も鮮やかに、プログレッシヴ・ロックの要素を多分に感じさせる、JACK独自の世界観が堪能できる逸品。今作では全てのヴォーカルとピアノ、オルガンを軽やかに弾きこなし、ブルースを基調としながらも、スワンプ・ロックとジャズ・ロックのセンスをミックスさせた洒脱なアレンジメントを展開しています。元々、スコットランドの音楽アカデミーで作曲を学んでいたJACKだけに、スワンプ・ロックのレイド・バック感と洗煉されたジャジーなセンスに、クラシカルな要素が絶妙にミックスされた音楽性は唯一無二。
アーティスト名と曲名を元に、CDデータベースから曲目を自動取得しています。ボーナス・トラックなどが反映されず、実際のCDとは曲目が異なる場合がございます。ご了承ください。
1. Peaces Of Mind |
2. Golden Days |
3. Running Through Our Hands |
4. Keep On Wondering |
5. Keep It Down |
6. Into The Storm |
7. One |
8. Timeslip |
9. Keep It Down (First Mix) |
10. Keep On Wondering (First Mix) |
11. Into The Storm (First Mix) |
12. Peaces Of Mind (First Mix) |
13. One (First Mix) |
深民淳によるコラム「音楽歳時記」。季節の移り変わりに合わせて作品をセレクト。毎月更新です。
盤質: | 無傷〜傷少なめ | 傷あり | 傷多め
状態: | 良好 | 並 | 不良 |
※ 背ジャケに折れあり
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米国録音なのに米国らしさはみじんもなし(2 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
ジャック・ブルースの書くメロディは不思議です。明るい曲、哀しい曲などという感想がふさわしくない「無調」の曲で、作曲の学位を持っている彼らしい独自さです。喜怒哀楽を突き抜けた力強さ、孤独、確信を感じて、自分はとても惹かれます。確かに一聴して、いいじゃない、これ、となる曲ではないんですが…。突飛な比喩を許してもらえるなら、ケイト・ブッシュの曲づくりに近いと思っています。また、ピート・ブラウンの作詞も独自です。簡単な単語を並べながら抽象性が高くて、主題が明確。 6. Into The Stormや7. Oneに表れるように、内面的な自立が作品テーマであるようです。
プロデューサー、アンディ・ジョーンズのすすめで米国録音です。米国のセッション・ミュージシャンが優れていることと、ブルースに英国から出てみたら、という意味ですすめた、とあります。ギターにスティーヴ・ハンター、ドラムズにジム・ケルトナー、残りのパートは全部ブルースです。ところが意外に作業は難航。ジム・ケルトナーがジャズのドラミングに慣れていなかったことから、3曲をジム・ゴードンが叩いています。米国録音も本国でのミックス作業もピート・ブラウンが同行しています。
静かな曲が目立ちますが、8. Timeslipではブルースのベースが大暴れします。ヘビーロック好きのわたしは興奮なしに聴けません。6. Into The Stormでは「嵐の中に踏み出す」というフレーズがあり、実際この曲がアルバム・タイトルになる予定だったとのこと。しかしジャケット写真撮影のためスコットランド中を嵐を求めて探したのに遭遇できなかったことから、タイトルが変えられたそうです。ライナーに書いてありました。