PIIRPAUKE 2

「プログレ度」８　「サイケ度」９　「辺境度」１０（13 拍手）

kobakunさん レビューをすべて見る

ということで「北欧度」はたったの１、一体どこから来てどこへ向かうのかというヘンテコ・ジャズ・ロック・バンドの作品です。とにかくごった煮、「ひとり万国博覧会」といった様相を呈していますが、底を流れているのは「エスノ」です。とくに３曲目は、プリミティヴなリズムを下敷きにしたアラビアン・ジャズ・ロック。エンブリオも真っ青な傑作です。正直、ラウンジ調のまったりした曲は退屈と感じる時もありますが、全体に通じるおサイケな感覚、ダウナーな雰囲気は、私がこよなく愛する「ジャーマンな感じ」に近く、ヤバい薬のような病みつきにさせる作用があります。

北欧ではこのほか、ARCHIMEDES BADKARというスウェーデンのバンドが、同様にアラビックでアフリカン・テイストのあるエンブリオ的エスノ・ジャズ・ロックをやっています。なぜ北欧からこうしたバンドが出てくるのか理由はわかりませんが、どちらも「辺境度」は満点。森と湖の国目指して飛行機に乗ったら、乗客はみな裸かターバンを巻き、機内にはカレーの匂いが立ち込めてきたといった不思議な感覚に囚われること間違いなしのＳＦ級の傑作です。