盤質: | 無傷〜傷少なめ | 傷あり | 傷多め
状態: | 良好 | 並 | 不良 |
※ ケースツメ跡あり、若干カビあり
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なぜ、「ラストワルツ」で彼は呼ばれなかったんだろう(6 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
ボー・ディドリーにはすさまじいエピソードがあります。彼が最初に「エド・サリバンショー」に出演したとき、楽屋で歌っていた「16トン」の鼻歌がよかったので、ディレクターがそれを番組で披露してくれ、という手はずになっていたそうです。ところがそれを裏切って彼は持ち歌の「ボー・ディドリー」をやってしまった。そう、ボブ・シーガーがライブで必ずやるアノ曲です。以後国民的番組に彼が呼ばれることはありませんでしたとさ。わしゃあ、あの頃若かったでのぅ、というボーじいさんの声が聞こえる逸話です。
ADが出した、「ボー・ディドリーさん、出てください」というボードを、「ボー・ディドリー」を演奏してくれ、と勘違いしたからのようです。わたしには善人ボー・ディドリーが約束を破るとは思えず、こちらのほうが真実に近く感じられます。でも後になってみればどうにも話はつくれますね。
本家ジャングル・ビートは、常にわたしたちの脳天を揺さぶります。かなりパンクなものでもあるんですが、不思議と優しいビート。揺り籠でゆさぶられて気持ちよくなるのに近いと思うんです。このビートがあるんで、彼のブルーズはとても入りやすい。マラカス、ハモニカ、そして「アイム・ア・マン」。青筋立てて「メ〜〜〜ン」と歌うマディ・ウォーターズより、ずっと洗練されています。ヤードバーズのカバーは、こちらのほうです。
全部が代表曲と言っていいベスト。一家に一枚です。2022.05.09