GENESIS/SELLING ENGLAND BY THE POUND
溢れんばかりの英国叙情に満たされた73年リリースの5th、これぞ初期GENESISの魅力が凝縮された大名作!
1,630円(税込1,793円)
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エモーショナルで少しメランコリー(2 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
英国のミスター・ビッグ、あるいはシンガー兼ギタリストのディッケンという名前を憶えていらっしゃるかたはおりますか。「甘美のハードロッカー」「麗しのザンビア」「恋するロミオ」は、どうですか。「ザンビア」と「ロミオ」は、英国チャートで10位以内に入っています。わたしの記憶が正しければ…。サードアルバムがEMIから発売拒否にあってからディッケンとバンド・メンバーのキャリアは苦難を極め、カタログをまともに扱ってくれるレーベルさえありませんでした。CD時代になってエンジェル・エア・レーベルができるまでは。バンド名をブロークン・ホームに変えたのが80年。そのあともデュオになったりソロになったりミスター・ビッグを再び名乗ったり、で、継続した芸能活動になっていなかったです。「ビター・ストリーツ」という再結成CDもサンプル音源をチェックして、買わないでいました。
たぶんディッケンを覚えているかたは、わたし同様「あの時をもう一度」で、ずるずると付き合っているんじゃないかと想像します。2018年に出たこのCDは、少し盛り返しています。少なくとも打ち込みではないバンド・サウンドです。ピート・クローサー、ピーター・バーナクル、エディー・カーターという懐かしい名前にも出会えます。ディッケンの外見は老けましたが、声はあの時のまま。これが奇蹟的で少し嬉しくなりました。音楽の中身より彼らが存在していることだけで救われます。2023.03.10