ROGER CHAPMANのアクの強いヴォーカル、骨太なアンサンブル、英国的な薫りを放つ好バンド、8枚目となる73年発表のラストアルバム
472円(税込519円)
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これはもはやハードロック、聴かなきゃ損(1 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
71年と言えば、クラプトンも出たし、英国のブルーズ・リバイバルも一息ついた頃。時代がアートロックだったときに、シカゴ・ローカルで超個性的なスタイルを生み出したのが彼です。なにせ、ギター2本にドラムズだけ。ベースは置かない。ギター2本は常にアンプのつまみを振り切った状態。ブルーワー・フィリップスのギターがベースの役割も担います。
セオドア・ルーズベルト・テイラー(これが本名のようです。)のアルバム・デビューは、遅れに遅れました。40年代から彼は活動していたようです。このアルバムがあるんで、わたしたちは彼を知ることができますが、出ていなかったらひっそりと埋もれていたはずです。ブルーズに特有の疲労感が彼にはありません。ひたすら攻撃的演奏を突き出してきます。系譜とすればエルモア・ジェイムズ。でもテイラーのスタイルはテイラーだけです。
ちんぴらのようなブルーズが続く中で、「イット・ハート・ミー・トゥー」だけは大変なスケール感です。ブルーワーのギターと並んで二頭のクジラが泳いでいるようです。