カナダ産アシッド・フォーク/ロックSSWの71年作。冒頭およそ30秒間、ほとんど無音に感じるほど微細な音域から幕を開けるM1が象徴的なダウナー/アシッド臭に充ちた作品。M5で聴けるような、これぞダウナー声と呼ぶべき天賦の枯れた声と気怠いストロークのアコースティック・ギターによるシンプルな弾き語りナンバーが作品の肝ではあるものの、アシッド・ロック調の曲も特筆に値する存在感。要所で導入するチャーチ調シリアスオルガン、心地良いダウナー感を増幅する深いファズ/ディストーション、淡いエフェクトのかかったストリングスやハープシコード等、サウンド・プロダクションは少々大袈裟ながら神がかり的ですらある。
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孤高のアシッド・フォーカー(0 拍手)
ニックのブギーさん レビューをすべて見る
少しの無音から始まる本作はただならぬフンイキに満ちている。渋い歌声に厳かなオルガン。そこはかとなく漂う哀愁にグッときました。